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電車がすし詰めでは、視線は首より上にしかむかない。

検事の死命
 検察官佐方貞人シリーズ第3弾。4作品が収録されている。2作目などは、1弾、2弾を読んでいないと理解が難しい。

 圧巻は長編にもなっている、3作目と4作目の「死命を賭ける」「死命を決する」。

 佐方は米崎検察庁に勤務する検事。鉄道米崎線の車中で痴漢事件が発生する。被害者は高校生の仁藤玲奈。玲奈は痴漢の腕を捕まえてホームに引っ張り出す。しかし男は「俺はしてない」と言う。駅員が2人を連れ駅員室に行く。そして交番巡査を呼び。簡単に聴取する。そして男は米崎東署に連行され拘置される。捕まったのは武本弘敏43歳。予備校の事務員をしている。この武本の妻が、米崎市一の名門家、大富豪の本多家の令嬢。

 そうなれば、よくあるパターン。本多家を通じて、政治家大物大河内が登場して、武本を釈放させ、検察が裁判に持ち込まないように圧力かける。痴漢というのは迷惑防止条例違反で、殆ど軽犯罪。それで、裁判にあげないよう佐方に上層部から圧力がかかる。

 それでも、圧力に逆らって起訴するとなると、佐方など首をとばされる状態になる。常識的にはそん
な危険を検事は避ける。しかし佐方はこんな微罪でも告訴をする。

 そして、裁判で佐方と、本多家の弁護士井原との対決が始まる。
そして、裁判で弁護側証人として登場するのが半田という男。半田は飲み屋で武本と知り合っている。

 半田は武本は痴漢をしていないということで、武本側証人となる。

 その日、米崎市内でビックアーチストの公演があり、電車は身動きできないほど混んでいた。半田は武本は女子高生の尻をなでるなんてことは、女子高生の尻を見ていたがしていないと証言する。

 ここがなるほどと思わせるのだが、佐方は、寿司詰め状態の電車では、乗客は頭はそっくり返る状態で、いつも、天井や上部しか見ることはできない。視線を落として、お尻は見ることはできないと、佐方は公判で実験までして、半田の虚偽の証言を証明してみせる。ここから、半田、武本が崩れてゆき、とんでもないことが佐方により明らかにされてゆく。この過程が緊張の連続で柚月の手腕に巻き込まれる。
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  • 掲載日:2026/05/08
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