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女刑事如月塔子が活躍する殺人分析班シリーズの第3弾。今回は「赤い部屋」での連続殺人事件。相変わらず凝ったプロット設定ですが、実行犯とその動機が一致しないこのパターンは推理小説としては違反ではないか? 

  • 水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係
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  • 出版社:講談社
水晶の鼓動 警視庁捜査一課十一係
 このシリーズは奇抜な殺人現場の風景と主人公である新人刑事・如月塔子のひらめきと成長が見せどころですが、本格推理小説として犯人探しもかなり楽しませていただけています。
 ただし本作に関しては、読者に真犯人を悟らせないために麻見がかなり腐心していると思われかねないような、無理無理な事件設定になっていて、推理ものとしてはかなりがっかりです。

 まずはおなじみの奇怪な殺人現場。今回は2つの連続殺人現場がスプレー缶で部屋中が真っ赤にペイントされているのです。しかも死体をわざわざ部屋から玄関先に運んでわざと発見しやすくさせている。犯行の発覚をなるべく遅らせて、しかも早く現場から立ち去るのが一般的な殺人者の心理であることからすると、犯人のこの行動パターンはいようなので、そこに理由があるはずで推理ファンの興味を大いに書き立てるのです。更に時をほぼ同じくして起きた連続爆破事件。この社会犯罪に対して公安も絡んでくる複雑な構成のため、前2作のように推理に没入できない忙しい展開です。

 相変わらず巧みな伏線のバラまき方と、多くの蘊蓄も交えて、犯人に繫がる道筋には理論上の破綻はないのですが、ひねりりにひねっているためになんとなくもやもやします。主人公の女刑事も前作に続いて危険な目にあいすぎで、もう少し彼女のひらめきを前面に出したストーリー展開にしてほしいものです。
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  • 掲載日:2026/04/19
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