レビュアー:
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藤本義一さん、和田秀樹さんの言うように、定年後(還暦~前期高齢者)はやっぱり「好きなように」「やりたい放題」で生きよう!
こちらが中年のころ、一世代というか親世代ぐらい歳上(?)の老年作家たちの老人論を時々読んでいました。ここ数年の間に亡くなった三浦朱門さん(1926~2017。享年91)とか曽野綾子さん(1931~2025。享年93)とか。記憶もかなり薄れていますが、読んだ当時、何らかの知的刺激を受けて、参考にしたのではないかと思われます。
読み落としていた作品として、最近、1933年生まれ(2012年死去。享年79)の藤本義一氏の『六十歳からは好きなように生きよう。定年後の生き方のヒント』(大和書房)を読みました。2004年に単行本として出た本です。当時の価格は本体価格1500円。ハードカバーです。
藤本さんは1933年生まれですから刊行当時は古希になったころ。「年金生活」という雑誌の2003年4月号から2004年9月号に連載された「心を救う方丈記」に加筆修正してまとめたとのことですから、古希になったころに書かれた回想記ともいえます。その十年弱後の2012年に死去。三浦朱門・曽野綾子さんとほぼ同世代なれど、お二人より後で生まれたにもかかわらず、早く亡くなっています。
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書名は今日でも通用し、和田秀樹さんの本のタイトルでもありそうです。実際、和田さんには『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)という本を出していますから?
藤本さんはサラリーマンを一切体験していません。学生のときの卒業論文のテーマは「日本の雇用問題」(藤本さんはなんと大阪府立大学経済学部卒業)。学友たちが当時の定年「60歳」を迎えつつも、「再就職」したりした事例を取り上げながら「人生は六十歳、六十五歳からはじまるのである」と宣告しています。
体力は還暦すぎれば衰えてくるが、「体力に優る気力、精神力をこの時期から養うべきである」「六十歳からこの気力というエネルギーが脳内に充実したと思うのが、真の人間の生き方なのである」「私は六十歳からこの気力の増進を高校時代に習った古典を繰り返し読みながら、自分自身の現在の心境と過去の出来事を思い出しながら、二年間に一冊の割合で記してきた。学校では冒頭の一部しか習わなかったものが、全文を何度も読んでいるうちに、古典が現代に残っている意義がわかってきた」とのこと。
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ということで『方丈記』などの記述を引用しながら自分の人生を振り返っています。敗戦直後のひもじかった時代。
「戦災に遭わなかった都市近郊の農家の尊大さは現在でもはっきり記憶している」
そうそう、百姓礼賛論を聞くたびに、藤本さんのような体験をした人の「証言」を私は思い返してきました。都市住民の着物等々をサツマイモ等々と物々交換。「恩きせがましく食べ物を出した」「現在でも農協に対して、戦後の事情を知っている都会の人たちが無関心なのは、戦後の傲慢な農家の態度があったからではないかと思う」との藤本さんの言葉には全面的に共感します。
そのあたり、『方丈記』にも関連する記述があるようです。
ラジオドラマの脚本募集にせっせと応募。そのために古今東西の戯曲やドラマなどを貪り読んだ時期があったそうです。一年間で700冊も。「バイトしながらこの量だから相当スタミナがあったのだろうと思う」と回顧。このあたりも『方丈記』にぴったりの記述があるようです。
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そういう風に『方丈記』と共に歩んできた人生。鴨長明は享年62だったようです。当時としては長命のほうだったでしょう。こちらは気がつけば67。『方丈記』は古典の授業で冒頭を読んだ程度。現代語訳のある参考書か文庫を手にした記憶はありますが読了したことはありません。
さっそく蜂飼耳氏訳の『方丈記』(光文社)、長尾剛氏の『話し言葉で読める「方丈記」』(PHP文庫)、三木卓氏の『私の方丈記』(河出書房新社)などをゲット。そのうち読みましょうか?
では、ごきげんよう。
読み落としていた作品として、最近、1933年生まれ(2012年死去。享年79)の藤本義一氏の『六十歳からは好きなように生きよう。定年後の生き方のヒント』(大和書房)を読みました。2004年に単行本として出た本です。当時の価格は本体価格1500円。ハードカバーです。
藤本さんは1933年生まれですから刊行当時は古希になったころ。「年金生活」という雑誌の2003年4月号から2004年9月号に連載された「心を救う方丈記」に加筆修正してまとめたとのことですから、古希になったころに書かれた回想記ともいえます。その十年弱後の2012年に死去。三浦朱門・曽野綾子さんとほぼ同世代なれど、お二人より後で生まれたにもかかわらず、早く亡くなっています。
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書名は今日でも通用し、和田秀樹さんの本のタイトルでもありそうです。実際、和田さんには『60歳からはやりたい放題』(扶桑社新書)という本を出していますから?
藤本さんはサラリーマンを一切体験していません。学生のときの卒業論文のテーマは「日本の雇用問題」(藤本さんはなんと大阪府立大学経済学部卒業)。学友たちが当時の定年「60歳」を迎えつつも、「再就職」したりした事例を取り上げながら「人生は六十歳、六十五歳からはじまるのである」と宣告しています。
体力は還暦すぎれば衰えてくるが、「体力に優る気力、精神力をこの時期から養うべきである」「六十歳からこの気力というエネルギーが脳内に充実したと思うのが、真の人間の生き方なのである」「私は六十歳からこの気力の増進を高校時代に習った古典を繰り返し読みながら、自分自身の現在の心境と過去の出来事を思い出しながら、二年間に一冊の割合で記してきた。学校では冒頭の一部しか習わなかったものが、全文を何度も読んでいるうちに、古典が現代に残っている意義がわかってきた」とのこと。
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ということで『方丈記』などの記述を引用しながら自分の人生を振り返っています。敗戦直後のひもじかった時代。
「戦災に遭わなかった都市近郊の農家の尊大さは現在でもはっきり記憶している」
そうそう、百姓礼賛論を聞くたびに、藤本さんのような体験をした人の「証言」を私は思い返してきました。都市住民の着物等々をサツマイモ等々と物々交換。「恩きせがましく食べ物を出した」「現在でも農協に対して、戦後の事情を知っている都会の人たちが無関心なのは、戦後の傲慢な農家の態度があったからではないかと思う」との藤本さんの言葉には全面的に共感します。
そのあたり、『方丈記』にも関連する記述があるようです。
ラジオドラマの脚本募集にせっせと応募。そのために古今東西の戯曲やドラマなどを貪り読んだ時期があったそうです。一年間で700冊も。「バイトしながらこの量だから相当スタミナがあったのだろうと思う」と回顧。このあたりも『方丈記』にぴったりの記述があるようです。
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そういう風に『方丈記』と共に歩んできた人生。鴨長明は享年62だったようです。当時としては長命のほうだったでしょう。こちらは気がつけば67。『方丈記』は古典の授業で冒頭を読んだ程度。現代語訳のある参考書か文庫を手にした記憶はありますが読了したことはありません。
さっそく蜂飼耳氏訳の『方丈記』(光文社)、長尾剛氏の『話し言葉で読める「方丈記」』(PHP文庫)、三木卓氏の『私の方丈記』(河出書房新社)などをゲット。そのうち読みましょうか?
では、ごきげんよう。
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現代史関連の本や雑誌が好きです。そうした本の紹介をしていきたいと思います。皆様の読書の参考、そんな本があるのかとの発見があれば幸いです。
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- 出版社:大和書房
- ページ数:0
- ISBN:9784479011767
- 発売日:2004年11月01日
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