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紅い芥子粒
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人、キノコに出会う。
人とキノコとの関りを書いた本です。
著者は、キノコの分類・栽培などの研究者。
農村文化社の『特産情報』という雑誌に連載されたエッセイを一冊にまとめたもの。

古来、人はキノコの急な出没におどろき、
その形状や色に魅せられ、あるいは怪しみ、
匂いを嗅いで、恐る恐る食べ、
あるときは舌鼓を打ち、
ある時は毒にあたって悶絶し、
恍惚となったり、可笑しくもないのに笑い狂ったり、
不運にも死んでしまったり……。

そんな人とキノコの話が全33話、古今東西の文献から紹介されています。

仙人の妙薬、ブクリョウの話。
幸運のシンボル、マンネンタケの話。
火種になったきのこ、ホクチタケの話。
不老長寿の妙薬?冬虫夏草の話。
寄生虫駆除と雷丸。
薬から布まで利用、サルノコシカケ。

などなど目次を読むだけで、キノコってなんとありがたいのだろうと、手を合わせて拝みたくなります。

もちろん、毒キノコの話もあります。
ぎょっとしたのは、キノコ中毒の治療法に、人糞を汁にして飲ませる、というのがあったこと。
後漢のころの漢方の教科書に書いてあるとか。
ぐわっ、助かる人まで死んでしまいそう。

ピーターラビットの作者ポターが、若いころキノコの研究に没頭していた話も載っていました。
彼女が22歳ごろから描き始めた約300枚の優れたキノコの絵。
現在も保存されており、それを図版にした図鑑が、1967年に出版されたといいます。
ピーターラビットの絵本を手に取るときは、さりげなく挿入されたキノコたちに注目です!

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紅い芥子粒
紅い芥子粒 さん本が好き!1級(書評数:559 件)

読書は、登山のようなものだと思っています。読み終わるまでが上り、考えて感想や書評を書き終えるまでが下り。頂上からどんな景色が見られるか、ワクワクしながら読書という登山を楽しんでいます。

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