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DBさん
DB
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ウイルス感染の恐怖の話
パンデミックの映画あったよなと、ノベライズを引っ張り出してきました。
だいぶ前に映画を見た覚えがある。
宇宙人のようなバイオスーツが印象的だったイメージしかないけど、エボラやラッサといった出血熱の現状を画面でみるとインパクトが違う。
教科書ではざっくりした病態が書いてあり、あとはウイルスの構造や複製方法について覚えたくらい。
遠い国の感染症というイメージしかなかったが、実際にこの病気が流行する地域に住んでいたらどれだけの恐怖を感じるだろうかと今更ながらに思いました。

主人公は軍の微生物研究所のリーダーであるダニエルズです。
同僚であり妻だったロバータが離婚と共に研究所を去ってCDCに移っていったが、それを受け入れることができずにいた。
世界中の疾病を追い詰め退治するという仕事に没頭した挙句に家庭を失ったが、それによってより仕事に打ち込むという末期症状だ。

そんな中でダニエルズの前に現れたのはザイールに現れた出血熱の一種だった。
ダニエルズの右腕のケイシーと、新人のソルトを連れてザイールに飛びます。
そこで出会ったのはラッサやエボラよりも悪性の出血熱で、かかった患者は2、3日で100%死亡するという。
発生した地名からモタバと名付けられたウイルスは、村を滅ぼして封じ込められたかのように見えた。
だが、カリフォルニア州のシーダー・クリークという人口二千六百人程度の小さな町にモタバが再び姿を現す。
しかもそれまで接触感染しかしなかったはずのウイルスが変異して空気感染するようになっていた。
次々に倒れていく町の住民のために、ダニエルズは元妻のロバータが指揮を取るCDCのグループと協力してウイルスを追います。

ウイルスとの戦いに軍の陰謀も絡めてスピード感ある仕上がりになっていた。
宿主を捕まえて抗体を作るところは突っ込みどころあるけど、リ・ジェネシスなみに本格的な部分もあり。
致死率100%のウイルスが接触感染から空気感染に変異するといのが、さすがに喘息患者の体内でというのは無理があるがインフルと同居したりしてありそうなだけに怖い。
それぞれのキャラや描写が細かいのにストーリーとしてはテンポよく進んでいくのがうまいと思ったが、なによりウイルスの恐怖が映画をより本格的にしていた。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2022 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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