かもめ通信さん
レビュアー:
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猫は空を飛べないしカモメは猫にはなれないけれど、互いの違いを認めてなお慈しむ。実の親子でさえ、なかなか違いを認めあえない人間を、その足元から見上げながら、猫は今日もため息をもらしているかもしれないね。
そのカモメはやっとの思いで原油に覆われた海を抜け出て飛び立った。
たどり着いたのはハンブルクの港町。
そこで力尽きて、黒い猫ゾルバの住む家のバルコニーに墜落した。
瀕死のカモメは、最後の力を振り絞って、卵を産み落とす決心をする。
雄猫ゾルバに卵を託そうというのだ。
そうしてカモメはゾルバに3つの誓いを立てさせた。
「わたしが産む卵は食べないと、約束して下さい」
「そして、ひなが生まれるまで、卵のめんどうをみて下さい」
「最後に、ひなに飛ぶことを教えてやると、約束して下さい」
母カモメの懇願にゾルバは思わず首を振る。
港の猫たちにとって、一匹の猫が名誉にかけて誓った約束は、
港じゅうのすべての猫の約束にひとしい。
仲間の猫たちの協力を得ながら、ゾルバの子育てが始まった。
フォルトゥナータ(幸運の者の意)と名付けられたひなカモメは、
ゾルバたちの愛情に育まれ、健やかに成長する。
そうして、やがて3つめの誓いを果たすときがやってきた。
愛する者を守るためなら、時には敵対者と渡り合い、譲歩だってする。
みんなと同じでありたいカモメに、違っていて良いんだ、
カモメであることに誇りを持つんだと
きちんと教えてあげることができる。
力が及ばないときは、周囲を説き伏せてでも、
適切な相手に助言を求めることもする。
ゾルバはまさに「ママ」の鏡の雄猫だ。
それに比べ人間はどうだ。
海に原油を垂れ流し、母親カモメを死に追いやって、
かわいがっていると言いながら、チンパンジーにビールを与えアル中にしてしまう。
「最高の善意から、最悪の事態を引き起こす」ことすら
平気でやってのけてしまうのだから、なんだかかなり恥ずかしい。
ほら、今日も港でカモメが騒いでいるよ。
きっとあちこちから集めてきた情報を交換しているんだ。
あの港町の猫の話か、
あの船の漁の話か、
あの岸から流れ出ているという恐ろしい汚染物質の話かも…
カモメは人間が近づくと空へと逃げてしまうけれど、
もしも知りたいことがあるのなら、猫に聞いてみると良い。
猫は空を飛べないけれど、
世界中の出来事を何でも知っている。
なんといっても猫は、
あらゆる鳥や動物たち、人間の言葉だってしっかり理解できるのだから。
もっとも彼らが、心を開いて、話相手になってくれるかどうかは、
「人間」次第なのかもしれないが。
たどり着いたのはハンブルクの港町。
そこで力尽きて、黒い猫ゾルバの住む家のバルコニーに墜落した。
瀕死のカモメは、最後の力を振り絞って、卵を産み落とす決心をする。
雄猫ゾルバに卵を託そうというのだ。
そうしてカモメはゾルバに3つの誓いを立てさせた。
「わたしが産む卵は食べないと、約束して下さい」
「そして、ひなが生まれるまで、卵のめんどうをみて下さい」
「最後に、ひなに飛ぶことを教えてやると、約束して下さい」
母カモメの懇願にゾルバは思わず首を振る。
港の猫たちにとって、一匹の猫が名誉にかけて誓った約束は、
港じゅうのすべての猫の約束にひとしい。
仲間の猫たちの協力を得ながら、ゾルバの子育てが始まった。
フォルトゥナータ(幸運の者の意)と名付けられたひなカモメは、
ゾルバたちの愛情に育まれ、健やかに成長する。
そうして、やがて3つめの誓いを果たすときがやってきた。
愛する者を守るためなら、時には敵対者と渡り合い、譲歩だってする。
みんなと同じでありたいカモメに、違っていて良いんだ、
カモメであることに誇りを持つんだと
きちんと教えてあげることができる。
力が及ばないときは、周囲を説き伏せてでも、
適切な相手に助言を求めることもする。
ゾルバはまさに「ママ」の鏡の雄猫だ。
それに比べ人間はどうだ。
海に原油を垂れ流し、母親カモメを死に追いやって、
かわいがっていると言いながら、チンパンジーにビールを与えアル中にしてしまう。
「最高の善意から、最悪の事態を引き起こす」ことすら
平気でやってのけてしまうのだから、なんだかかなり恥ずかしい。
ほら、今日も港でカモメが騒いでいるよ。
きっとあちこちから集めてきた情報を交換しているんだ。
あの港町の猫の話か、
あの船の漁の話か、
あの岸から流れ出ているという恐ろしい汚染物質の話かも…
カモメは人間が近づくと空へと逃げてしまうけれど、
もしも知りたいことがあるのなら、猫に聞いてみると良い。
猫は空を飛べないけれど、
世界中の出来事を何でも知っている。
なんといっても猫は、
あらゆる鳥や動物たち、人間の言葉だってしっかり理解できるのだから。
もっとも彼らが、心を開いて、話相手になってくれるかどうかは、
「人間」次第なのかもしれないが。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:白水社
- ページ数:174
- ISBN:9784560071519
- 発売日:2005年11月15日
- 価格:840円
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