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ぷるーと
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ロシアの亡命知識人プニン。ちょっと時代遅れで片意地なのに、懐かしい感じがする。
プニンは、革命が起きたロシアから亡命してヨーロッパをさすらい、アメリカに渡って帰化した。やや田舎大学的な小さなウェインデル大学でロシア語を教えていた。

この作品は、1950年からウェインデルをクビになる1954年の秋までの間のプニンの言動が7章に渡って描かれ、その中で、プニンが亡命してから以降の過去の出来事についても言及されている。

詐欺のような結婚をさせられ、あっという間に離婚させられたのに、血の繋がらない元妻の息子の面倒をみさせられても、文句も言わず。大学の教授たちの笑い者になっているのを知ってか知らずか、飄々としているプニン。

1898年にペテルブルグに生まれ、祖国を追われた亡命ロシア人としてアメリカに帰化し、大学でロシア文学を教えているプニン教授は、風変わりな変人として周囲の人々の笑いものになっている。とはいえ、プニンは、決して自分を曲げようとはしない。自分らしさをどこまでも貫く。その姿は、まるでドン・キホーテのようだが、それでいて、彼の姿にどこか懐かしさを感じるのだ。
もちろん、このプニンは、ナボコフ自身の分身である。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2932 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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