書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

休蔵さん
休蔵
レビュアー:
イギリスの有名なアーサー王伝説。改めて面白い!ただ、本巻は伝説のほんの序章に過ぎません。

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

 高校生の頃、アーサー王の伝説を読んだ。
 角川だったか、文庫版で楽しんだ。
 最近になって、斉藤洋が手掛けたアーサー王シリーズを発見した。
 懐かしさのあまり手にしてみたが、高校生当時の読書内容をすっかり忘れており、新鮮な気持ちで楽しむことができた。

 さて、斉藤洋版アーサー王伝説の第1巻目となる本書は、大魔法師マーリンが主人公だ。
 夢の魔と美しき処女との間に生まれたマーリンは、幼い頃から不思議な力を身につけていた。
 最初から変化の力を見せられてしまっては、それ以降の力、例えば三日三晩寝ずに歩き通したりする力などささやかなものに思えてしまう。 

 そんなマーリンが見いだされるのは自然のこと。
 さまざまな難題をふっかけられながら、それを解決する大魔法師。
知恵に富む彼はなんでもござれな存在。
 しかし、大きな悩みに出くわす。

 1つは「ヴォ―ティガン王の塔」の章。
 ヴォ―ティガン王は自らの権威を示さんと巨塔を建てようとするが、人の背の5倍程になると地鳴りがして塔は崩壊。
 それを繰り返す。
 そこで、王は占星術師に占わせると、彼は「人間でない父を持つ者を犠牲に」という。
 結果、マーリンが招集された。
 マーリンは地下に空間があり、そこに龍がいることを指摘。
 そして、それは事実で、地下から2頭の龍が飛び出してきた。
 赤龍が先で、白龍が続き、両者は空中で対決して後者が生き延びた。
 このことの意味をマーリンは考え込む。

 そして「大彗星」の章。
 マーリンは戦場にいた。
 そこで赤い大彗星を見た。
 彗星は尾がふたつに割れた龍の形をし、北から南に向かった。
 片方の尾は大陸を向き、もう片方はアイルランドの方角を向いていた。
 彗星は中天にかかると、白に変色していった。
 そして、北に落下しながら、尾は東西の水平線に届かんばかりに長く伸びた。
 この彗星が示す意味をマーリンは迷わず読み解いた。
 さらに、その延長にある大いなる目的も手にした。

 偉大なる王の誕生。

 この目的を得た瞬間、マーリンは冷徹と化した・・・

 アーサー王伝説は世界中で馴染みの深い物語だろう。
 映画やドラマはもちろん、様々な媒体で表現されてきた。
 高校の時に読んだ1冊は、きちんとした訳本だった。
 本書はアーサー王伝説を相当に噛み砕いた1冊で、手軽に読むのに最適だ。
 ただ、一つ難癖をつけるとすれば、挿絵が欲しかったかな。
 そんな我儘はさておき、本書はシリーズ本の1冊。
 最終章「誕生」で世に産み落とされたアーサーの、いよいよの活躍は次巻以降になるが、期待大だ。
お気に入り度:本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
休蔵
休蔵 さん本が好き!1級(書評数:448 件)

 ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
 それでも、まだ偏り気味。
 いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい! 

読んで楽しい:8票
参考になる:33票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『大魔法師マーリンと王の誕生 (アーサー王の世界 1)』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ