書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

ソネアキラ
レビュアー:
問題です。日本で「「おはよう」と言う地域と言わない地域」は、どこでしょう?

※ネタバレ注意! 以下の文には結末や犯人など重要な内容が含まれている場合があります。

探し物をしていたら、プリンタインクの入った封筒を発見。
はは。見事に忘れていた。
かように海馬の委縮は進行している。

『ものの言い方西東』小林隆 澤村美幸著を読む。
古くは『探偵!ナイトスクープ』の「アホ・バカ分布図」、
最近では『秘密のケンミンSHOW』で
地域のギャップをおもしろおかしく扱うテーマは定番になっている。
この本は、いわば、そのモトネタ的本。

たとえば「「おはよう」と言う地域と言わない地域」。
そんなのは全国共通とか、各家の躾だろと思われるかもしれないが、
「調査結果」によると「東北と九州、沖縄は言わない地域」だそうだ。

谷崎潤一郎は江戸っ子だけど、関東大震災が原因で関西に居を移している。
食を含めた上方の文化と船場言葉などに代表される会話の妙にひかれた。
この本にも船場言葉による挨拶がサンプルで挙げられている。
いやはやその饒舌さ、豊饒さにびっくり。
「最後まで本音を語らず、あくまでも型にはまった挨拶らしさを
押し通しているのである」

以前取材で大阪へ行ってタクシーに乗ったら
運転手から「アメちゃん、どーぞ」と言われた。
リアルアメちゃん体験をした。

北国の人は寒いから口をあまり開けずに、また言葉も節約して使う。
もっともらしい説だが、東北出身のぼくは常々疑問に思っている。
たとえば秋田弁の「けけけ」。
「食べるならこっちで食べろ」という意味だが。
また北国の人は無口という印象が強いが、
湯治や結婚式の披露宴など酒席のにぎやかさは、なかなかのもの。
飲めや、歌えや。いまは自粛モードだが。

この本に出ている「調査結果」をみる限りでは、
西日本の方が多彩な「ものの言い方」をしている。
しかし、オノマトペでは「東日本、なかでも東北が盛んだ」と。
なるほど。
短絡的に岩手県出身の宮沢賢治、福島県出身の草野心平などの詩が思い浮かぶ。
ちなみに萩原朔太郎は群馬県。中原中也は山口県。
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
ソネアキラ
ソネアキラ さん本が好き!1級(書評数:2187 件)

女子柔道選手ではありません。開店休業状態のフリーランスコピーライター。暴飲、暴食、暴読の非暴力主義者。東京ヤクルトスワローズファン。こちらでもささやかに囁いています。

twitter.com/sonenkofu

詩や小説らしきものはこちら。

https://note.mu/sonenkofu

読んで楽しい:3票
参考になる:21票
共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. 三太郎2022-02-18 10:01

    そうなると、仙台育ちの僕は子供の頃は「おはよう」と言わなかったのだろうか?言った気がしますが・・・

    因みに「こんばんは」は「おばんです」になりますが。

  2. noel2022-02-18 10:30

    北陸生まれのわたしは朝の挨拶をしなかったように記憶しています。北陸でもそうなのでしょうか。ただ、幼少期に京都に引っ越してからは言っていた気がします。なんでも「さん」をつける土地柄か、朝の挨拶は「お早うさん」でした。

  3. ソネアキラ2022-02-18 12:24

    三太郎さん、noelさん 一般的な統計ですから家によって違いますよね。ぼくは自分の家では「おはよう」は言ったり、言わなかったり。嫁さんの実家では元気よく「おはようございます」と言っていましたw

  4. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『ものの言いかた西東』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ