efさん
レビュアー:
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本好きなら誰にでもある同じ悩み
作家、文筆家、本好きな著名人らによる『本棚』をテーマにしたエッセイ集です。
皆さん仕事柄あるいは本好きなこともあり、沢山の蔵書をお持ちであり、その蔵書を収めている本棚には思い入れも一入というわけです。
作家は当然本がお好きなのでしょう(本が嫌いな作家さんなんているのかね?)。
また、資料としての本も必要になるでしょうし、出版社から送られてくる本も馬鹿にならず、どうしても蔵書が増えてしまうのは当たり前と言えば当たり前。
収録されている作家さんの中では、井上ひさしさんが超弩級でしょうか。
20万冊!
もちろん、個人で収蔵する限界を超えており、寄付されてその蔵書は図書館に収蔵されているそうです。
皆さんのお悩みは大体共通しているわけで、その一は、本の置き場所の確保です。
不要な本は処分してしまえば良いじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、私もそうなんですが、本って処分できないんですよねぇ。
本棚に二重に本を置き、隙間に本を詰め込み、それでも入りきらずに床に積み上げる……。
本が生活圏を侵食し続け……
潤沢なスペースを確保できなければ当然そういう道をたどることになります。
スライド本棚は当然のようにスライドしなくなります。
床をぶち抜いた方も複数名いらっしゃいます。
本棚に本を二重に並べるというのも本来タブーなんですよねぇ。
奥の本が見えなくなってしまいます。
みなさんそれは分かっていながらそうせざるを得ない現実。
私、二重に並べるのだけは厳禁にしております。
二重に並べることができない薄い本棚を使用しているのです(ネットでサイズ注文できる本棚でそういうのを作ってもらって購入して使用しているのです)。
床置き問題も罪が深い。
池上彰さんは名言を紹介しています。
「書棚に入りきらない本を床に置いたらおしまい、と言われます。床に本の山ができてしまうからです。」
私、床にだけは置かないようにしております。
書棚に入りきらなくなったら(選抜試合の後、敗れた本は)段ボール箱行きです!
もう、これは本好きの宿命のような問題でしょう。
私はこの本を書かれているような方々とはレベルが違う程度の蔵書数ではありますが、それでも頭が痛い問題です。
現在、5棹の本棚を使っていますが当然のように満杯。
入りきらない本は段ボール箱に詰め込んで押し入れ等の中に積み上げております。
叶うことなら段ボール箱の本を出して並べてやりたいのですけれど……。
もちろん、新たに本を買うことにも厳しい制限が課されております。
妻から、「頼むから図書館を利用して。新しい本を買うのは本当に欲しい本だけにして。」と数年前に懇願され、以来、私が買う本というのは選びに選んだどうしても欲しい本だけという現状になっております。
もう一つの共通するお悩みは、本棚の整理。
まあ、もう整理なんてムリと放棄されてしまっている方も多いのですが、実は本棚の整理というのは楽しいものでもあります。
どう並べるか?
これも永遠の課題で、南伸坊さんなどは、こっちの本をあっちに移してとやり始めると延々やってしまうのだとか。
いや、分かるなぁ。
これも正解のない問題なのよね。
中野翠さんは、「昔は本棚は祭壇だった」と書かれています。
そうなんですよね。
自分が愛する本を並べて崇め奉るのが本棚。
これすっごく分かる感覚なんですが、そうできているうちは幸せです。
数の暴力に負け、もはや祭壇とは呼べないありさまになっていくわけです。
西川美和さんはこうおっしゃいます。
自分の本棚というものを持っておられるそうで、そこに収納する本は一通り目を通した本だけに限定しているそうです。
「私の関所を通らぬ限りは、地べたに寝ろ、だ。」とおっしゃいます。
もう一つ美しい言葉をご紹介しましょう。
内澤旬子さんの言葉です。
「私が今持ちたいのは、ただただ自分の愉しみのためだけに読んで、最初の一ページから奥付まで心底惚れ抜いて、背を眺めるだけでうっとりする本だけを詰め込んだ、私的な本棚である。百冊弱。それで十分。」
ああ、これも一つの理想なのであります。
というわけで、本が好きな方なら読みながら「そうなんだよねぇ」と頷ける話が満載の一冊になっております。
なお、各人の本棚が写真で紹介されているのも大変興味深いところであります。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)
皆さん仕事柄あるいは本好きなこともあり、沢山の蔵書をお持ちであり、その蔵書を収めている本棚には思い入れも一入というわけです。
作家は当然本がお好きなのでしょう(本が嫌いな作家さんなんているのかね?)。
また、資料としての本も必要になるでしょうし、出版社から送られてくる本も馬鹿にならず、どうしても蔵書が増えてしまうのは当たり前と言えば当たり前。
収録されている作家さんの中では、井上ひさしさんが超弩級でしょうか。
20万冊!
もちろん、個人で収蔵する限界を超えており、寄付されてその蔵書は図書館に収蔵されているそうです。
皆さんのお悩みは大体共通しているわけで、その一は、本の置き場所の確保です。
不要な本は処分してしまえば良いじゃないかとおっしゃるかもしれませんが、私もそうなんですが、本って処分できないんですよねぇ。
本棚に二重に本を置き、隙間に本を詰め込み、それでも入りきらずに床に積み上げる……。
本が生活圏を侵食し続け……
潤沢なスペースを確保できなければ当然そういう道をたどることになります。
スライド本棚は当然のようにスライドしなくなります。
床をぶち抜いた方も複数名いらっしゃいます。
本棚に本を二重に並べるというのも本来タブーなんですよねぇ。
奥の本が見えなくなってしまいます。
みなさんそれは分かっていながらそうせざるを得ない現実。
私、二重に並べるのだけは厳禁にしております。
二重に並べることができない薄い本棚を使用しているのです(ネットでサイズ注文できる本棚でそういうのを作ってもらって購入して使用しているのです)。
床置き問題も罪が深い。
池上彰さんは名言を紹介しています。
「書棚に入りきらない本を床に置いたらおしまい、と言われます。床に本の山ができてしまうからです。」
私、床にだけは置かないようにしております。
書棚に入りきらなくなったら(選抜試合の後、敗れた本は)段ボール箱行きです!
もう、これは本好きの宿命のような問題でしょう。
私はこの本を書かれているような方々とはレベルが違う程度の蔵書数ではありますが、それでも頭が痛い問題です。
現在、5棹の本棚を使っていますが当然のように満杯。
入りきらない本は段ボール箱に詰め込んで押し入れ等の中に積み上げております。
叶うことなら段ボール箱の本を出して並べてやりたいのですけれど……。
もちろん、新たに本を買うことにも厳しい制限が課されております。
妻から、「頼むから図書館を利用して。新しい本を買うのは本当に欲しい本だけにして。」と数年前に懇願され、以来、私が買う本というのは選びに選んだどうしても欲しい本だけという現状になっております。
もう一つの共通するお悩みは、本棚の整理。
まあ、もう整理なんてムリと放棄されてしまっている方も多いのですが、実は本棚の整理というのは楽しいものでもあります。
どう並べるか?
これも永遠の課題で、南伸坊さんなどは、こっちの本をあっちに移してとやり始めると延々やってしまうのだとか。
いや、分かるなぁ。
これも正解のない問題なのよね。
中野翠さんは、「昔は本棚は祭壇だった」と書かれています。
そうなんですよね。
自分が愛する本を並べて崇め奉るのが本棚。
これすっごく分かる感覚なんですが、そうできているうちは幸せです。
数の暴力に負け、もはや祭壇とは呼べないありさまになっていくわけです。
西川美和さんはこうおっしゃいます。
自分の本棚というものを持っておられるそうで、そこに収納する本は一通り目を通した本だけに限定しているそうです。
「私の関所を通らぬ限りは、地べたに寝ろ、だ。」とおっしゃいます。
もう一つ美しい言葉をご紹介しましょう。
内澤旬子さんの言葉です。
「私が今持ちたいのは、ただただ自分の愉しみのためだけに読んで、最初の一ページから奥付まで心底惚れ抜いて、背を眺めるだけでうっとりする本だけを詰め込んだ、私的な本棚である。百冊弱。それで十分。」
ああ、これも一つの理想なのであります。
というわけで、本が好きな方なら読みながら「そうなんだよねぇ」と頷ける話が満載の一冊になっております。
なお、各人の本棚が写真で紹介されているのも大変興味深いところであります。
読了時間メーター
□□□ 普通(1~2日あれば読める)
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幻想文学、SF、ミステリ、アート系などの怪しいモノ大好きです。ご紹介レビューが基本ですが、私のレビューで読んでみようかなと思って頂けたらうれしいです。世界中にはまだ読んでいない沢山の良い本がある!
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- 出版社:新潮社
- ページ数:184
- ISBN:9784103540229
- 発売日:2013年08月30日
- 価格:1365円
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