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ぷるーと
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ドミニカ共和国の独裁者ラファエル・レオニダス・トゥルヒーリョ・モリナの生涯を描いた歴史小説。
30年以上にわたってドミニカ共和国を支配し、自身に対する個人崇拝を徹底させ、著しい抑圧・虐殺を繰り返し、国家の富をほしいままにしたことで知られる独裁者ラファエル・レオニダス・トゥルヒーリョ・モリナ。彼には、チボ(山羊)というあだ名がついていた。chivoがchivatoと形を変えると「ごろつき」「悪党」「好色漢」という意味にもなるからだ。

トゥルヒーリョは、類稀な独裁者だったが、この作品では、トゥルヒーリョ暗殺当日のトゥールヒーリョの1日、殺害実行者たちが暗殺現場に陣取ってから暗殺以後の逮捕・拷問に至る過程、それから35年後、トゥルヒーリョの心酔者だった上院議員の娘が当時を回顧するシーン、の3つの場面が交互に描かれている。  

生きている独裁者トゥルヒーリョの時間は実際には1日しかないのだが、本人や彼の周囲の人々による回顧で、トゥルヒーリョ支配の31年間がどのようなものだったかを描いている。

貧しい国には独裁者が生まれ易く、独裁者は虐殺などの陰謀に走りやすい。そういった形をとることで生活に不満を抱いた民衆を一時的に興奮させることができるし、虐殺や陰謀は恐怖政治となって、民衆の反発を封じ込めるてだてとなるからだ。そして、どんな独裁者にも、それにへつらう追従者が必ずでてくる。彼が権力を握っているかぎり。

物語がただ時間系列にのっとって事件が描かれているのではなく、しかも章ごとに登場人物も、時間も、場面も変わると、ひとつの出来事がいろいろな方面から見えてくる。この国の狂乱ぶりも。    
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2922 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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