たぶん、来る年も来る年も同じ方向に進むことにいいかげんうんざりした時計の針が、突然、逆さに回り始めたのだ。
ヨアキムのアドヴェント・カレンダーから出てきたのは、オモチャやキャンディーではなく薄い紙に書かれた不思議な物語でした。
デパートから逃げ出した子羊と赤い服のエリーサベトが、生まれてくるイエスを祝福する為に2千年の時を遡る物語が毎日1枚ずつ。
「待って、待って、子羊ちゃん!」
毎年12月になると読みたくなる一冊!
面白くて読む手が止まりません。
そう、まるで
追い風を受けて駆けっこするように、下りのエスカレーターを駆け下りるように。
始めはヨアキムと一緒にドキドキしながら、途中ではエリーサベトと共に天使のエフィリエルに案内されながら、時間旅行を楽しみます。
そして、ラストで全ての真実を目の当たりにする。
こんなに多くの感情を与えてくれるなんて!
本当に、とびきりのクリスマスプレゼントのような本です。
花を指さすエリーサベトに、天使は言います。
「天の栄光のかけらが地上に迷い込んだのだね。天の国には栄光がいっぱいだ。だから、どんどんあふれて広がるのだ」
そんな言葉を宿したこの本も、きっとあふれて広がる天の栄光のかけらなのでしょう。
こんなにも心を揺す振られるのですから。
以前、知人のお嬢さん(10歳くらいだったかな?)にこの本をオススメしたことがありました。
後日「楽しくて一気に読んでしまいました!」というお返事をいただいて、とても嬉しくなった思い出があります。
今も本屋さんやお菓子屋さんでアドヴェント・カレンダーを目にする度に、小さな女の子のキラキラした笑顔が浮かびます。
どんどんあふれて広がった光が、彼女の笑顔が、天の栄光のかけらだったのだと私は確信しています。
不思議なカレンダーを手に入れたヨアキムと、逃げ出した子羊を追いかける赤い服のエリーサベトと一緒に、逆さに回り始めた時間を冒険してみませんか?
クリスマスも素敵ですが、待っている間のドキドキ感も楽しまなくちゃ!
師走で忙しい日々だからこそ、心は充実したアドヴェントを。
いざ、ベツレヘムへ、ベツレヘムへ!
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