風の払暁




船戸与一の遺作でかつ最長の作品。たった100年前の日本のことなのに日本人は第2次世界大戦前の歴史を知らなさすぎ。異なる道を歩んだ敷島四兄弟の生きざまを通して歴史の勉強です。
世界各国・各地域での紛争やテロ、陰謀を主題にした小説で唸らせる船戸さんが、日本のそれも近代を舞台にし…

本が好き! 1級
書評数:2308 件
得票数:30924 票
「本を褒めるときは大きな声で、貶すときはもっと大きな声で!!」を金科玉条とした塩味レビューがモットーでございます。




船戸与一の遺作でかつ最長の作品。たった100年前の日本のことなのに日本人は第2次世界大戦前の歴史を知らなさすぎ。異なる道を歩んだ敷島四兄弟の生きざまを通して歴史の勉強です。
世界各国・各地域での紛争やテロ、陰謀を主題にした小説で唸らせる船戸さんが、日本のそれも近代を舞台にし…




談合の内偵作戦から始まる本作、このまま政治家の汚職を暴く展開かと思いきや、フィリピンを舞台に誘拐、人身売買、札事件へと進展し、こんな事件素人の小役人の手に負えるわけないでしょう。
公正引取委員会の審査官・伊田は汚職の嫌疑をかけられ辞職することになる。公取を追われた伊田は、検察庁…




人生の最後に起きる様々な介護の問題を手助けする介護専門の奉公人の人情奮戦記。「江戸版介護師は見た」は現代に見通じることが多いです。
今も昔もある老人の介護。老人ホームもデイケアもない江戸時代は自宅で息子が老父母を看取っていたようで…



女刑事如月塔子が活躍する殺人分析班シリーズの第3弾。今回は「赤い部屋」での連続殺人事件。相変わらず凝ったプロット設定ですが、実行犯とその動機が一致しないこのパターンは推理小説としては違反ではないか?
このシリーズは奇抜な殺人現場の風景と主人公である新人刑事・如月塔子のひらめきと成長が見せどころです…




警視庁殺人分析班シリーズの第2作目。今回は死体の周りにある奇妙な遺留品の数々。見立て推理ミステリとなっています。
前作に続いてスタートから飛ばす展開。男性の死体の周りには動物の頭蓋骨、生花、時計、そして伏せられた…





モルタルで固める猟奇的連続殺人事件に挑むは新米女性捜査官。勇ましい女性刑事が流行りの昨今で、等身大の主人公の活躍が妙にリアルです。
伏線十分、どんでん返しあり、ラストは女性刑事も狙われて危機一髪と、読ませる推理小説となっています。…




栄光の影にあるドーピング疑惑。命を危険にさらしても名誉を手に入れたいと考えるトップアスリートたちを、一観衆は批難できるのか?
オリンピックで勝つためにドーピングを行うというストーリーであるが、雫井脩介の「栄光一途」にも柔道界…


相手を罠にはめ自滅に誘うクライム・プランナー。和製ハードボイルドとしての試みは買えるのだが、「現代版・必殺仕事人!?」っていうの表現は詐欺すぎ。
「現代の必殺仕置き人」と銘打っているからには義理人情で非合法な悪を、裏で抹殺する義賊集団の活躍ストー…




市井の人々の何気ない日々にもなにがしら問題や悩みがあって・・・これらに焦点を当てて、心の揺らぎを表現する。そこには正解はないのであるが、それが人生。
十代では思春期の悩みを抱え、二十代では社会に出て挫折する。三十代になると仕事の意ならず家族の悩みも複…



意味不明のタイトルに惹かれて手に取った一冊。あまり起伏がない青春ラブストーリーと思いきや、後半で幸せとは何かということについて深く考えさせられます。
「僕らのごはんは明日で待ってる」って日本語がおかしい。「僕らはごはんを明日まで待ってる」ではないの…





お金が必要。では作ればいいじゃないと偽札造りをテーマにした犯罪小説。偽札つくりの過程のコンピューターと印刷のギミックな情報と、騙し騙され深みに入っていくストーリー展開で読者を鷲掴みにします。
本書の内容によると、お札の発行はその国の印刷技術の粋が詰まっているそうで、単にコピーすればよいとい…




デビュー戦でノーヒットノーランを描く「20」に対して、引退試合で起こす完全試合を描くのが本作。引退するのは同期デビュー以来17年間ぶりのバッテリーを組む因縁の二人。一球一球に汗握って一気読みしますよ。
「完全試合」この困難な偉業を引退試合でやってのけようと企むベテラン投手真田。それだけでも盛り上がるの…





現代版「家なき子」ともいえる17歳少女の1/4生記。とはいっても前向きな主人公の生きざまを反映して内容はいたって明るく、ほのぼのとした読書感を残します。
さすがは本屋大賞受賞というリーダビリティー。ストーリー展開の軽妙さもさることながら主人公・優子に5…





9回表、高卒ルーキーの有原がノーヒットノーランをかけて放る20球。その一球一球に回想シーンと心理劇を添えて、小説界の「スラムダンク」か「巨人の星」かっと突っ込みを入れたくなるが、しびれる一冊です。
日本人は野球が大好きですね。3時間を超える長いゲームなのに飽きもせず毎晩見ている人も多いでしょうし…




養子制度やレイプ・ストーカー被害等多くの問題を提起する作品です。途中で真犯人がわかって来るものの、最後まで犯人を憎めない構成になっているという稀有な人情物となっています。
最近流行りの美人刑事が主人公です。仕事ができる33歳の大橋砂生は京都府警・捜査一課において女性らし…




中間管理職の男性課長たちの悲喜こもごもの短編集。部下に恋い焦がれ、出世争いに腐心し、上司には圧力をかけられ、部下に突き上げを食らう。サラリーマン生活は楽じゃない。
40代の男性課長5人の会社生活と家庭の日常がユーモアタッチで描かれます。彼らいわゆる中間管理職たち…




強豪大学ラグビー部の監督が急逝。途中で後を引き継ぐ新監督はいままでのチームと違うラグビースタイルを提案し、チームは混乱します。かくして迎える優勝を決めるリーグ最終戦、チームは勝てるのか?
いまでこそリーグ1の成功でプロ化が進んだ日本のラグビー界ですが、メジャースポーツの中では最後までア…





刑事が全く出てこない完全殺人事件。これを計画し実行するのが30歳OL2人組。その計画の周到性だけでも良質のエンタメサスペンスになっています。2人は逃げおおせるのか?
女2人による夫の殺害の一部始終をきっかけから計画、実行その後の逃亡劇まで一気に読ませてくれます。女…




乃南の「傑作短編集」でかつ、共通するテーマが「女の嫉妬」。これは期待できますよ。
表面上は仲良しで、お互い心の底では何を考えているかわからない。特にこれが男がらみとなるとたまりにたま…




ゴッホの名画『ひまわり』に未発見の8枚目が存在した?この謎と争奪をめぐるハードボイルドサスペンス。主人公は愛妻の自殺を機に無為な生活を送っている元画学生。25年前の小説ですが古さを感じさせません。
冒頭から多くの謎がばらまかれます。妻の死以来怠惰な日々を送る主人公・秋山の前に、元の会社の上司であ…