「現代の必殺仕置き人」と銘打っているからには義理人情で非合法な悪を、裏で抹殺する義賊集団の活躍ストーリー化とのかと思いきや、もっと小ぶりで、自分や仲間の遺恨に対する報復のために悪党どもに「罠」を仕掛けるといういわば復讐譚になっています。復讐物語も面白くていいのですが、クライム・プランナーである主人公が自分に課すルールは、自分達の手で傷つけない、何も盗まないの二つ。その割には格闘シーンや追撃シーンも多く、少なくても頭だけで勝負しているとはとても思えません。
主人公である大柳は、渋谷の〝のんべい横丁〟でホットドッグとビールしか置いてない店のマスターをしているのであるが、過去にはいじめ、結婚詐欺、パワハラで傷ついた仲間たちの無念を晴らすために復讐劇を計画するクライム・プランナーとしての経歴あったのです。 そして今回、その彼の友人が血まみれで高速道路に放置されていたという連絡があり、事件に巻き込まれるのでした。背後にはヤクザ組織とどうやらヤクザに敵対する謎のグループがいるようで話はかなり複雑になってきます。最後にはどんでん返しというかまさかの黒幕も登場してそれなりに楽しめるのですが、そもそも前半で延々と語られる「過去のクライム・プランナー自慢」が長すぎ。そして「過去のクライム・プランナー自慢」がもっぱら頭脳を使ったスマートなものであるのに対して、今回の事件では体を使った乱闘、格闘シーンが随所に持ち込まれておりすっきり感が半減です。
縁故関係の恨みを晴らすのではなく、一般顧客からの悩みをスマートに解決する裏稼業という設定を期待していただけにがっかり感は否めません。


- 掲載日:2026/04/14
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