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  • レビュアー: さん
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  • 食の本 ある料理人の読書録
  • by
  • 出版社:集英社
食の本 ある料理人の読書録
先日亡くなった漫画家でありエッセイストでもあった東海林さだおさんの食べ物エッセイ「丸かじり」シリーズこそ
 食の本の金字塔と思っていたが、
 料理人でもあり「活字中毒」を自認する稲田俊輔さんも
 食の名著25作品を紹介する『食の本―ある料理人の読書録』の中で「丸かじり」を取り上げ、
 「始祖」「先駆者」と絶賛していて、さすが「食の本」の通だけあって見逃さない。
 東海林さんの本を紹介する文の中で、中島らもの言葉が引用されている。
 「教養とは、一人で時間を潰せる技術である」
 東海林さんの食に対する姿勢を見事に射抜いた引用文だ。

 そもそもこの本は2025年の本の雑誌が選ぶベスト10の7位に選出されていて、
 書名のシンプルさも気に入って興味がわいた一冊。
 著者は「書評」ではなく、「純然たる読書感想文」というが、
 なんのなんのこういう読ませる「読書感想文」が提出されたら先生もびっくりするだろう。

 紹介されている25冊の本は、
 水上勉の『土を喰う日々』、檀一雄の『檀流クッキング』といった名作もあれば、
 岡根谷実里『世界の食卓から社会が見える』、辺見庸『もの食う人びと』といった硬質の作品もある。
 最近の作品では原田ひ香の『喫茶おじさん』、
 そしてわが東海林さだおさんからは『タコの丸かじり』。
 最後の締めに、森茉莉の『貧乏サヴァラン』とはなんと贅沢な。

 稲田さんが料理人ということもあって、自身が経験してきたこと含め、
 食に対する思いが浮き上がってくる、究極の「グルメ本」ともいえる。
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  • 掲載日:2026/04/24
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