ビッケと弓矢の贈りもの (評論社の児童図書館・文学の部屋)

ビッケはビッケ、いつものビッケでいいじゃないか。
暗号、密室、鉄道ミステリなど、人気ジャンルが一冊に集まった、ミステリーの幕の内弁当のような短編集





ビッケはビッケ、いつものビッケでいいじゃないか。

笹沢と言えば、木枯し紋次郎シリーズが有名だが、あれとはまた違った良さがある。耳にしたこともない武芸者たちの物語は、戦う双方のどちらかを身びいきしたくなるような安易な思いを撥ねつけるような厳しさがある。

放浪の作家D.H.ロレンスが描いた、イタリアの秘境への旅。

悔恨を胸に退職した刑事のお遍路道中と、新たな事件に奔走する刑事と。

黒地に白ぬき文字で、ストライキに参加した労働者たちと警官隊との衝突シーンの頁が通奏低音のように挟みこまれている。 その陰惨な描写から、なぜか眼をそらすことができない。
この書評へのコメント