かなり古い作品みたいですね。映画化もされたそうです。だから題名を知っていたのか。
刑務所で知り合った3人組が、紀州随一の大富豪の当主を誘拐するという話です。
その当主(刀自と呼ばれている)は誘拐犯の1人が実は子どもの頃にちょっとした因縁があったおばあさんでした。犯人たちがなかなかの頼りなさで、誘拐を実行するまでもあれこれ問題が発生しますし、きちんと考えているようで実は穴だらけの計画だったので後々のフォローが大変でした。
やっと誘拐できたと思っても計画の杜撰さが目立ち、結局刀自に支配されるような状況になります。
始めは数百万を要求するつもりだったのに、数百億に値上げされ、どうやって金を受け渡すか?や、被害者が無事であることをどう伝えるか?も全て刀自の言うままに進められます。
本当は潜伏するはずだった家はあまりにもすぐに見つかりそうだということで、隠れ家を見つけたのも刀自という状況はかなり情けない・・。
どこか憎めない犯人たちで、誘拐という大それたことをしている割にはのんきと言うか考えが甘いというか。
途中からは刀自の思惑が何となくわかってきて、性格が良さそうなイメージだったのに意外としたたかなんだと思えてきました。かわいらしくはあるんですけどね。
この誘拐の方法は、古い時代だから出来ることで、現代だとかなり難しそうです。いくら田舎でもほとんどの人がスマホを持っている時代ですから、誰にも見られず気づかれず・・というのは無理だと思います。
最終的にしてやったりな刀自に感心しつつ、事件を起こした犯人たちに対してそんな結末で良いのか?とも思いますし、税金は払わないといけないでしょ?とも思いましたし、何とも複雑な気持ちになりました。


- 掲載日:2026/05/20
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