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意外に、思ったより面白い内容です。政界秘話なども出てきて、へぇ?と思うこともしばしばでした。
社会党といえば、その後継政党(?)社会民主党も消滅寸前です。民社党も消滅していますが、その一部は、自民党や国民民主党や立憲民主党などに微かに引き継がれた感はあります。社会党も、機敏な方は社民党に残らず、すばやく立憲民主党などに「寄生」もしているかのようではありますが、その社会党を回想する書として、五十嵐仁氏・木下真志氏・法政大学大原社会問題研究所編の『日本社会党・総評の軌跡と内実 20人のオーラル・ヒストリー』(旬報社)をいま読んでいます。2019年刊行の本です。
戦争による荒廃から立ち上がり、「民主日本」を夢見て力を尽くした人々の消し去ることのできない足跡。各証言者に共通するのは、信ずるところに向かう闘志や情熱である。
社会党・総評が影響力を持ち、輝いていた時代を支えていた方々、あるいは社会党の再建に尽力された方々からの証言は、今後の戦後日本政治史研究に少なからぬ影響を与えるにちがいない--とのふれこみですが……。「闘志や情熱」が正しい方向に投じられていたら良かったのですが?
今はなき「社会党-総評ブロック」に関わった20人からの聞き取りということで、証言者は、伊藤茂、曽我祐次、加藤宣幸、高見圭司、前田哲男、塚田義彦、公文昭夫、富塚三夫・・・など。社会主義協会(直結)系の政治家や労働運動家ほど酷くはないけど、所詮は、私から見ればの話ですが、左派、中間左派、容共リベラル系多しという印象です。さすがに向坂一派や非・向坂派といえども強硬左派系の清水慎三さんは出てこない? 証言の中にはしばしばお名前は出てきて、清水さんへの言及はあります。
話の中に、猪木正道さんや西尾末廣さんなども出てきて、こういった方々は私も大いに評価しますが、証言者は影響を受けなかったとか。ううむですね。
佐藤昇さんや川俣健二郎さんなどは私も評価しますし、江田三郎や構造改革論の背景なども参考にはなりました。
まだ半分ぐらい読んだところですが、意外に、思ったより面白い内容です。政界秘話なども出てきて、へぇ?と思うこともしばしばでした。正式な読後感は読み終えてと思います。中間報告までにです。
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社会党に関しては、福永文夫氏の『日本社会党 「戦後革新」とは何だったのか』(岩波新書)が出たようです。未読ですが。
岩波新書といえば,昔読んだ清水慎三氏の『日本の社会民主主義』(岩波新書)は酷かったなと記憶しています。社民がお嫌いだったようで、社会党が社民路線になったら離党すると息巻いていたかと。お好きなように?
そういえば、上記の証言集にも「社民」(社会民主主義・民主社会主義)など、口が裂けても言葉にしてはまずいと考える方々もけっこういたようです。言霊を恐れていたんでしょうね? レッテル貼りに怯える生き方は楽しそうではありませんね。
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余談ですが……。
社会党の内実を語り綴った名著としては、上住充弘氏の『日本社会党興亡史』(自由社)を忘れてはいけません。社会党右派のスタッフからみた「社会党・総評の軌跡と内実」ですが、社会党がもう少しマトモだったら……。
同じく社会党右派系スタッフだった丸山浩行氏の『核戦争計画 米ソ戦の研究なしに平和は語れない』(亜紀書房)などはきわめてまともな国防戦略論でした。社会党にも人材はいたのでしょうが、多数派になることなく、少数派であったことが社会党の悲劇をもたらしたといえそうです。
そうした社会党の悲劇をもたらした党の歴史をいろんな角度から検証することは今日でも重要です。今日の立憲民主党というか「中道改革連合」も一昔前の「日本社会党」と瓜二つですからね。どうなりますことやら。『日本社会党・総評の軌跡と内実 20人のオーラル・ヒストリー』は、そのためにも役立つ一冊といえそうです。温故知新。
では、ごきげんよう。
戦争による荒廃から立ち上がり、「民主日本」を夢見て力を尽くした人々の消し去ることのできない足跡。各証言者に共通するのは、信ずるところに向かう闘志や情熱である。
社会党・総評が影響力を持ち、輝いていた時代を支えていた方々、あるいは社会党の再建に尽力された方々からの証言は、今後の戦後日本政治史研究に少なからぬ影響を与えるにちがいない--とのふれこみですが……。「闘志や情熱」が正しい方向に投じられていたら良かったのですが?
今はなき「社会党-総評ブロック」に関わった20人からの聞き取りということで、証言者は、伊藤茂、曽我祐次、加藤宣幸、高見圭司、前田哲男、塚田義彦、公文昭夫、富塚三夫・・・など。社会主義協会(直結)系の政治家や労働運動家ほど酷くはないけど、所詮は、私から見ればの話ですが、左派、中間左派、容共リベラル系多しという印象です。さすがに向坂一派や非・向坂派といえども強硬左派系の清水慎三さんは出てこない? 証言の中にはしばしばお名前は出てきて、清水さんへの言及はあります。
話の中に、猪木正道さんや西尾末廣さんなども出てきて、こういった方々は私も大いに評価しますが、証言者は影響を受けなかったとか。ううむですね。
佐藤昇さんや川俣健二郎さんなどは私も評価しますし、江田三郎や構造改革論の背景なども参考にはなりました。
まだ半分ぐらい読んだところですが、意外に、思ったより面白い内容です。政界秘話なども出てきて、へぇ?と思うこともしばしばでした。正式な読後感は読み終えてと思います。中間報告までにです。
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社会党に関しては、福永文夫氏の『日本社会党 「戦後革新」とは何だったのか』(岩波新書)が出たようです。未読ですが。
岩波新書といえば,昔読んだ清水慎三氏の『日本の社会民主主義』(岩波新書)は酷かったなと記憶しています。社民がお嫌いだったようで、社会党が社民路線になったら離党すると息巻いていたかと。お好きなように?
そういえば、上記の証言集にも「社民」(社会民主主義・民主社会主義)など、口が裂けても言葉にしてはまずいと考える方々もけっこういたようです。言霊を恐れていたんでしょうね? レッテル貼りに怯える生き方は楽しそうではありませんね。
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余談ですが……。
社会党の内実を語り綴った名著としては、上住充弘氏の『日本社会党興亡史』(自由社)を忘れてはいけません。社会党右派のスタッフからみた「社会党・総評の軌跡と内実」ですが、社会党がもう少しマトモだったら……。
同じく社会党右派系スタッフだった丸山浩行氏の『核戦争計画 米ソ戦の研究なしに平和は語れない』(亜紀書房)などはきわめてまともな国防戦略論でした。社会党にも人材はいたのでしょうが、多数派になることなく、少数派であったことが社会党の悲劇をもたらしたといえそうです。
そうした社会党の悲劇をもたらした党の歴史をいろんな角度から検証することは今日でも重要です。今日の立憲民主党というか「中道改革連合」も一昔前の「日本社会党」と瓜二つですからね。どうなりますことやら。『日本社会党・総評の軌跡と内実 20人のオーラル・ヒストリー』は、そのためにも役立つ一冊といえそうです。温故知新。
では、ごきげんよう。
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現代史関連の本や雑誌が好きです。そうした本の紹介をしていきたいと思います。皆様の読書の参考、そんな本があるのかとの発見があれば幸いです。
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- 出版社:旬報社
- ページ数:0
- ISBN:9784845115884
- 発売日:2019年04月08日
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