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いけぴん
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「この一本」という自分だけのワインを求めて
個人的なお酒の歴史は数々のブームがあった。ビールはベースのお酒として常に食卓にあったが、それ以外に焼酎ブーム(なみなみオンザロック)、ウィスキーブーム(色々変遷していてストレート〜オンザロック〜ハイボール)、日本酒ブーム(こちらは冷酒一本)などが何年かおきに訪れた。そして、今、我が家にはワインブーム(赤)がやってきている。ただ、巷のワイン通と違って知識が皆無なので、当てずっぽうで買ってきて、その風味や味の違いを楽しんでいる程度なのだが。

そんなことで、ワインに関するエッセイが集められた本書を手にした。

ワインは他の酒と違ってどこか寄りつきがたい壁があると様々な作家たちが言っている。そして、大人の象徴としての酒だと。

『葡萄酒には、日本酒やウィスキー、ビールにない、妖しい雰囲気がありました。大人になったら飲むことの出来る外国のお酒でした。』(向田邦子)

ワインを飲むには大人としてのなにか特別な資格がいる、というイメージ。夥しい銘柄、廉価なものから高額なものまであるバリエーション、料理に合う合わないの複雑さ、味に影響する産地や天候・・・。それらの知識が自分の中で折り合いが付けられるものになっていないと手にできない酒。

『成人して初めて口にしたワインは、思っていた味とは違った。おいしくなかった。年齢的には大人でも、たぶんまだ大人じゃないんだと思った。いつになったらワインの似合う大人になれるのか、道は遠く険しかった。』(宮下奈都)

とはいうものの、飲み始めてみれば、そんな知識や蘊蓄などなくても十分楽しめる。魚料理でも赤が好きだったら飲めばいいのだ。キンキンに冷やした赤ワインを楽しめば良い。

『大振りのコップに冷えたワインをドボドボ注ごう。ぐいっとひと口飲む。イヌっころじゃあるまいし、飲む前ぇにクンクンクンクン匂い嗅いでられっか。』(久住昌之)

「花道、茶道、ワイン道」という言葉があるようだ。日本人って、なんでも「道」にするよな。レストランでソムリエと蘊蓄を丁々発止とやり合うのも楽しいのだろうが、本書で多くの作家たちが主張する楽しむワインを私は求めていきたい。

ラベルを見てインスピレーションを受けたワインをいろいろ買い込み、美味しけりゃ成功。美味しくなければ、それなりに食事を楽しむ。その出逢いを楽しみたい。美味しかったワインは銘柄を覚えておいて、いつしか自分のお気に入りの一本を見つけられれば良い。
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いけぴん
いけぴん さん本が好き!1級(書評数:1246 件)

山口での単身赴任を終え大阪に戻りました。これからは通勤時間を使っての読書が中心になります。

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