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ぷるーと
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クリスティがメアリ・ウェストマコット名義で書いたミステリではない長編小説。
語り手は、婚約者との旅行に出る直前に自動車事故で半身不随になったヒュー・ノリーズ。兄嫁が大叔母から相続したセント・ルーの屋敷で、兄夫婦の世話になっている。

時代は、チャーチルが第二次大戦で勝ったのを機会に議会を解散した直後。舞台となるセント・ルーは保守陣営の強い土地で、その中心ともいえるのがセント・ルー城だ。
セント・ルー城にはレディ・セント・ルーを筆頭に妹のアグネス、義妹のモード、孫娘のイザベラが住んでいる。ヒューは、4人に会って、おとぎ話の魔女3人と王女のようだと思う。
この地で、テレサは、その地の古くからの家柄にふさわしく保守党の選挙運動の手伝いをする。

保守党候補者のジョン・ゲイブリエルは、それまでの慣習とは違って、労働者階級出身だが、ヴィクトリア勲章を所持する元軍人。世俗臭の強い野心家だった。ゲイブリエルは、自ら動けないヒューを「壁」と言い、他の人には見せないような裏の顔や本音を見せる。
そういった野心家のゲイブリエルが唯一計算ずくではない同情を見せたのが獣医の夫に虐げられているミリーだったが、ミリーの取った行動が危うくゲイブリエルの醜聞となるところを、イザベラが機転をきかせて事なきを得る。そして・・・。

何を考えているのかよくわからないイザベラのミステリアスな雰囲気が、ハマる読者には面白いのかもしれない。でも、やっぱり、よくわからないなあ、イザベラ。テレサもあまりにも出来すぎていて、ちょっと現実味を欠いているし、私にはあまり向かない話だった。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:2932 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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