かもめ通信さん
レビュアー:
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さすが図書新聞!こういう記事はなかなか他では読めない気がする。
ひさびさにオンライン版の図書新聞を購入した。
しかも1週遅れのバックナンバーだ。
お目当ては巻頭の特集記事
最近、翻訳家界隈をざわつかせている記事、
後藤美和子氏による
自慢じゃないが語学力に乏しく、フランス語など全くわからない私だが、だからこそ翻訳家への依存度は高い。
でも、だからこそ、翻訳とはなにか。という問題には敏感にならざるを得ない。
後藤氏はこの記事の中でこう指摘して、原氏の本からの抜粋・フランス語の原文・後藤氏による訳文をならべて5つの具体例をあげているのだが、その違いは明らかで、そのうちの幾つかはフランス語を解さない素人の私が見てもはっきりわかり、誤訳のレベルを遙かに超えているように思われた。
どうやら発売直後から問題視する声はあがっていたようで、昨秋、出版社のサイトには推薦文を書いた 鈴木創士氏によるコラムが掲載されている。
そこには
図書新聞の記事の中では、版元である河出書房新社の責任を問う内容を含んだヴァシェの遺族たちによる共同声明文も紹介されているので、今後の展開も気になるところではあるが、なによりも「翻訳とはなにか」ということを否が応でも考えずにはいられない「事案」であるという気がしている。
と、この記事目当てで購入した私としては、すっかり元は取った気になったものの、折角だからと他の記事も読んでみると……
パク・ミンギュの『短篇集ダブル サイドA・サイドB』(筑摩書房)はやっぱりおもしろそうだし、
田中美津の『明日は生きてないかもしれない……という自由』(インパクト出版会)は、これ、いままでノーチェックだったけれど、読んでおくべき本なのでは!?……等々、またまた読みたい本のリストを伸ばしてしまった。
しかも1週遅れのバックナンバーだ。
お目当ては巻頭の特集記事
「ゴシック」へのさらなる螺旋下降――逸脱と拡散の方向に進んでいく学究にして脱臼の書 対談 後藤護×高原英理 後藤護著『ゴシック・カルチャー入門』(Pヴァイン)をめぐってではなく、
最近、翻訳家界隈をざわつかせている記事、
後藤美和子氏による
ジャック・ヴァシェ『戦時の手紙』(原智広訳)は「創作」翻訳で済まされるのか?だった。
自慢じゃないが語学力に乏しく、フランス語など全くわからない私だが、だからこそ翻訳家への依存度は高い。
でも、だからこそ、翻訳とはなにか。という問題には敏感にならざるを得ない。
ヴァシェ没後百周年にあたる二〇一九年の八月に河出書房新社から原智広訳『戦時の手紙』が刊行されたこと自体は、ヴァシェ再評価に役立つはずであった。しかしこの「訳書」を読んでみると、実に全ての頁が「訳者」による「創作」と原文の改竄によって埋めつくされていることに驚かざるを得ない。
後藤氏はこの記事の中でこう指摘して、原氏の本からの抜粋・フランス語の原文・後藤氏による訳文をならべて5つの具体例をあげているのだが、その違いは明らかで、そのうちの幾つかはフランス語を解さない素人の私が見てもはっきりわかり、誤訳のレベルを遙かに超えているように思われた。
どうやら発売直後から問題視する声はあがっていたようで、昨秋、出版社のサイトには推薦文を書いた 鈴木創士氏によるコラムが掲載されている。
そこには
この本は資料や研究書としては参照されてはならないだろう。その意味で本書はヴァシェの本というより原智広の本なのだ。などとも、書かれているのだが、これは苦しい、かなり苦しい。
図書新聞の記事の中では、版元である河出書房新社の責任を問う内容を含んだヴァシェの遺族たちによる共同声明文も紹介されているので、今後の展開も気になるところではあるが、なによりも「翻訳とはなにか」ということを否が応でも考えずにはいられない「事案」であるという気がしている。
と、この記事目当てで購入した私としては、すっかり元は取った気になったものの、折角だからと他の記事も読んでみると……
パク・ミンギュの『短篇集ダブル サイドA・サイドB』(筑摩書房)はやっぱりおもしろそうだし、
田中美津の『明日は生きてないかもしれない……という自由』(インパクト出版会)は、これ、いままでノーチェックだったけれど、読んでおくべき本なのでは!?……等々、またまた読みたい本のリストを伸ばしてしまった。
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本も食べ物も後味の悪くないものが好きです。気に入ると何度でも同じ本を読みますが、読まず嫌いも多いかも。2020.10.1からサイト献本書評以外は原則★なし(超絶お気に入り本のみ5つ★を表示)で投稿しています。
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- 出版社:武久出版
- ページ数:0
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- 発売日:2020年02月10日
- 価格:273円
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