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ブータンは「微笑みの国」。世界一幸な国。これは本当なのだろうか
石井の出世作「物乞う仏陀」を出版する前に、石井がアジアの難民キャンプを中心に訪ね歩いたルポルタージュ。
ブータンは、数年前国王夫妻が日本を訪問、その微笑みに日本国民が感動して、「世界で最も幸の国」として知れ渡る国になる。
このブータン1970年代にはもともとブータンに住んでいたネパール人と、その後移住してきらネパール人とあわせて、国民の30%以上をネパール人が占めるようになる。インドからも移住してくる人たちもいて、多民族国家となっていた。
当時の国王はこの状況に、王制が転覆されるのではないかと危惧するようになる。そこで、単一民族国家にすると宣言し、ネパール人を強制的にネパールに追放。ネパール系住民はその政策に反対するが、弾圧、拷問、投獄でネパール系人民を力で圧迫。15万人から20万人のネパール系人民がネパールに逃亡し、難民キャンプヲ形成し、どうにもならず現在に至っている。
ブータンを追われたネパール系人民は、劣悪な住居環境、教育も受けられず、苦難の生活を強いられている。
この悲惨な状況を見た石井は、ネパールの権力者で、憲法を制定した、元法務大臣に無策ほったらかしは人間の生きる権利を否定することになる。難民を支援し、移民として受け入れるべきと迫る。
元法務大臣が答える。ほったらかしにする原因はすべてネパールの貧困にある。ネパールは、農村は反政府ゲリラに支配され、都市には失業者があふれかえっている。多くの国民が海外に出稼ぎする。男性は肉体労働に従事し、女性は売春婦となっている。
ネパールは国内に難民を創っている。
こんな貧しい国が、ブータンからの20万人の難民を受け入れられると思うか。自分の国の人たちの生活を保障できないのに、ブータンからやってくる難民など受け入れることができるわけが無い。
私たちは難民の悲惨さをマスコミを通じて知り、憤りとともに、どうにかならないかといらだちを感じる。
元法務大臣の言葉は実に重い。うわついた主張や議論が軽薄に思えてくる。
ブータンは、数年前国王夫妻が日本を訪問、その微笑みに日本国民が感動して、「世界で最も幸の国」として知れ渡る国になる。
このブータン1970年代にはもともとブータンに住んでいたネパール人と、その後移住してきらネパール人とあわせて、国民の30%以上をネパール人が占めるようになる。インドからも移住してくる人たちもいて、多民族国家となっていた。
当時の国王はこの状況に、王制が転覆されるのではないかと危惧するようになる。そこで、単一民族国家にすると宣言し、ネパール人を強制的にネパールに追放。ネパール系住民はその政策に反対するが、弾圧、拷問、投獄でネパール系人民を力で圧迫。15万人から20万人のネパール系人民がネパールに逃亡し、難民キャンプヲ形成し、どうにもならず現在に至っている。
ブータンを追われたネパール系人民は、劣悪な住居環境、教育も受けられず、苦難の生活を強いられている。
この悲惨な状況を見た石井は、ネパールの権力者で、憲法を制定した、元法務大臣に無策ほったらかしは人間の生きる権利を否定することになる。難民を支援し、移民として受け入れるべきと迫る。
元法務大臣が答える。ほったらかしにする原因はすべてネパールの貧困にある。ネパールは、農村は反政府ゲリラに支配され、都市には失業者があふれかえっている。多くの国民が海外に出稼ぎする。男性は肉体労働に従事し、女性は売春婦となっている。
ネパールは国内に難民を創っている。
こんな貧しい国が、ブータンからの20万人の難民を受け入れられると思うか。自分の国の人たちの生活を保障できないのに、ブータンからやってくる難民など受け入れることができるわけが無い。
私たちは難民の悲惨さをマスコミを通じて知り、憤りとともに、どうにかならないかといらだちを感じる。
元法務大臣の言葉は実に重い。うわついた主張や議論が軽薄に思えてくる。
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昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。
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- 出版社:文藝春秋
- ページ数:311
- ISBN:9784167903459
- 発売日:2015年04月10日
- 価格:702円
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