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DBさん
DB
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台所から見たホームズとワトソンの話
ハドソン夫人が冒険する本を読んで、そういえばハドソン夫人が書いたという設定の本があったと思い出し再読しました。
ハドソン夫人がホームズとワトソンに作ってあげてた料理の数々を紹介する形になっています。

生活の知恵としてレモンを長持ちさせる方法や家具の艶出し、銀磨きにならんで焼け焦げのとり方が出てきます。
化学実験が趣味のホームズの部屋だけに、この焼け焦げとりの秘策は何度も活躍したんだろう。

イギリスの朝食のボリュームは今でも有名で、フル・ブレックファストになるとシリアルやパンに卵料理、魚、肉にケジャリまでついてくる。
これだけ食べれば夜はパブでビールとフィッシュアンドチップスで十分なのもわかる気がします。
ホームズもハドソン夫人が出す朝食を堪能している姿がどこかで出てきていたけど、あれは夜活動していたから前日の夕食と朝食を一緒に食べているのだと思っていた。
本作では「燻製にしんの網焼き」「ホカホカの朝食用ケーキ」「卵とトマトのラムキン」「特製ケジャリー」「冷製鶏肉入りケジャリー」「お米入りスクランブルド・エッグ」「大麦ビスケット」「辛味をきかせたチキン」「辛味をきかせた鶏の脚」「木いちごの葉でくるんだ焼きガモン」が朝食用のメニューとして出てきます。
イギリスに行くことがあったら一度フル・ブレックファストを食べてみたい。

ワトソンがハドソン夫人にリクエストしたレシピが「カルカッタ・ジャンブル」、舌平目のカレー風味ライスみたいなインド料理だそうですが、ワトソンの軍医時代を偲ばせる料理ですね。
キドニーパイやハギスも出てきて料理の上ではイングランドとスコットランドは融合しているのかもしれないと思った。
旦那さまことホームズと、やさしいお医者さまことワトソン君の好きな食べ物や性格なんかがレシピの合間に出てきます。

レシピとしては材料も作る量も日本のキッチン向きではないので使えないけれど、イギリス料理もいいかもとは思いました。
新鮮な雨水とか出てくるあたりがヴィクトリア時代っぽいけれど、産業革命でスモッグばかりのロンドンの空を通ってくる雨水を料理に使うのってどうなんでしょう。
そんな料理を食べていたのかもしれないという雰囲気を味わう本だと思う。
稀代の天才ホームズも家政婦さんの目から見るとただのやっかいなご主人様になっているってとこが面白かった。
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DB
DB さん本が好き!1級(書評数:2035 件)

好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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