「力ある風出てきたり鯉幟」(矢島渚男)。
この句のように、風がある時のこいのぼりはなんとも雄大なもの。
「歳時記」の解説によれば、江戸時代に町人が滝を登るという鯉に願いをかけて
こいのぼりを立てて男子の成長を祈ったそうです。
最近は住宅事情があって、雄大に泳ぐこいのぼりを町なかで見かけることも少なくなりましたが、
広い川べりなどで何十匹ものこいのぼりを泳がせている地域もあるようです。
こどもの日といえば、やはりこいのぼり。
そんなこいのぼりを題材にした絵本があります。
おおいじゅんこさんの『こいのぼりぐんぐーん』。
色とりどりのこいのぼりがかわいいタッチで描かれています。
しかも、この絵本にはこいのぼりの解説も載っています。
例えば、のぼりの一番上についている丸い玉。「かいてんきゅう」というそうです。
天の神様に見つけてもらえるように、という意味があるとか。
その下のからから回っているのが「矢車」。
その下に「吹流し」があって、その下にようやくこいのぼりがあります。
「高空に青き山あり吹流し」(相馬遷子)とか「矢車に朝風強き幟かな」(内藤鳴雪)のように、
「矢車」も「吹流し」も季語になっています。
この絵本の魅力はなんといっても、五月の風のようなすがすがしさでしょう。
風がないと、こいのぼりもシュンとなります。
風があると、元気になります。
この絵本を読むと、風が吹いてきたこいのぼりのように、元気になれそうです。
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