本が好き!ロゴ

閉じる

「王子」と名乗る謎の青年が銀座の街で言った。「僕の人魚が逃げたんだ。」アンデルセンの童話『人魚姫』を軸に、5人の男女が銀座の歩行者天国で「王子」と出逢い、すれ違いに気づく姿を描いた物語。

人魚が逃げた
自分の存在に、ちょっぴり悩む男女5人たちの物語。
そこに現れたのは、王子を名乗る謎の青年だった。
「僕の人魚が逃げたんだ。」
果たして、人魚は見つかるのか?

舞台は、銀座の歩行者天国。
王子と関わることで、5人の主人公たちが、短編形式でつながっていく。

12歳年上の女性と交際中の元タレントの会社員
娘と買い物中の専業主婦
絵の蒐集にのめり込みすぎるあまり妻に離婚されたコレクター
文学賞の選考結果を待つ作家
高級クラブでママとして働くホステス

彼らは、小さな悩みを抱えていた。
相手とは釣り合わない。
秀でた才能も特技もなく、趣味もない。
すれ違いによる離婚。
価値観の違う妻との相性を憂う。

『人魚姫』は、アンデルセンによる悲恋の童話。
王子に恋した人魚姫が、声を失う代わりに足を手に入れ陸へ上がる。
報われぬ恋の末に海の泡となって消える。
王子の勘違いが原因でもある。

ある役者が言う。
『芝居はね、観客席からが一番よく見えるものだよ。
 舞台に立っている我々演者には、まったく見えないことばかりだ』

一度俯瞰して、自分の周りを見直す。
著者のメッセージに思えた。

童話の中から、王子が現実の世界に出てくる、という設定に、ちょっと戸惑った。
その王子、なんで、日本語を話しているねん(笑)
そんな設定をも吹っ飛ばす、前向きになれる物語だった。
  • 本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
  • 掲載日:2026/04/26
投票する
投票するには、ログインしてください。

この書評の得票合計:1

共感した:1票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

    No Image

    コメントするには、ログインしてください。

    人魚が逃げた の書評一覧

    取得中。。。