本が好き!ロゴ

閉じる

お局様って、紫式部のことなのか?

  • 紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
  • by
  • 出版社:角川学芸出版
紫式部日記  ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
NHKラジオ「古典講読 王朝日記の世界Ⅱ 紫式部日記」を聞いているうちに興味を持ちました。『源氏物語』では知ることがない紫式部の一面が伺える。やっぱ作家の日記は面白い。ただこの日記は公務としての書記としての一面もあり、それは平安貴族の風俗や儀式などを知ることが出来る貴重な証言でもある。本音を手紙形式で述べているなど、なかなかの才女ぶり。

最初に出てくる彰子初産で「もののけ」の調伏の儀式を紫式部は描いてる。その描写に興味を持って読み始めた。小山聡子『もののけの日本史-死霊、幽霊、妖怪の1000年』 (中公新書)を読んで『源氏物語』「若紫」の調伏の儀式が出てくるのでそれと関連していると思ったのだが、その頃にはすでに『源氏物語』は書かれていて、出産「50日の祝」で藤原公任が紫式部を「若紫」と言ったことまで書かれていた。ちなみにその日記が書かれた11月1日が『源氏物語』がすでに書かれていた日として、古典の日になっています(ウィキペディア調べ)。

でも面白いのは紫式部の本音が語られている消息体の三女子批評ですね。和泉式部、清少納言、そして、自分自身の批評まで書いているのでした。和泉式部は和歌の大家。清少納言はエッセイ。そして、紫式部は物語作家。物語作家としての自負、感情に流されすぎない、偉ぶらない、でも密かに教養はあるのだという、それがありありと感じられます。ただそういう所も紫式部の魅力ではないのかと。毒舌作家だから面白い物語も書けたのだろうと思う。

宮仕え日記も中宮の初産の頃は、書紀としての責務で手一杯だった様子(むしろ宮仕えよりも家に引きこもって『源氏物語』でも書いていたかった)が、二年後にはすでに立派なお局様になっていて後宮改革を率先して行うような貫禄を見せます。そのへんの日記も官庁勤めのOL日記のようで面白かった。男たちのセクハラまがいの行為を交わしながら後宮では、男どもから注目されるサロンであらねばならないという。

ただ藤原道長は、紫式部を取り入れて、清少納言のいた定子のサロンをつくりたかったのかもしれない。その白羽の矢が立ったのが紫式部で愛人説も噂されます。彼の愛人?だったら、相当したたかな人だと思いました。
  • 本の評価ポイント本の評価ポイント本の評価ポイント
  • 掲載日:2024/01/12
投票する
投票するには、ログインしてください。

この書評の得票合計:9

読んで楽しい:1票
参考になる:8票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

    No Image

    コメントするには、ログインしてください。

    紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス 日本の古典 の書評一覧

    取得中。。。