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祐太郎さん
祐太郎
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家の家格を守れ、機会があれば家格を上げろ。「藤原にあらずんば人にあらず」を地で行く1300年史
平家物語で、堂上平家(武士ではなく貴族として生きている平家)の平時忠が

「平家にあらずんば人にあらず」

と言ったのは有名である。この本を読むと、この言葉の裏には藤原氏に対する強烈な批判があったのではないかと思えてくる。平安時代前期までは、古代豪族を祖とする貴族は軒並み没落し、残ったのは藤原鎌足を祖とする藤原氏であった。なかでも、菅原道真を左遷させ早世した藤原時平の弟である忠平の子孫は「公達」、それ以前に分かれた系統の藤原氏と諸家の流れは「諸大夫」と区分けされ、昇進ルートや座る位置も分けられていたらしい。

律令制が崩壊し、朝廷内部の職自体もイエにつくようになると、家格が固定していく。摂政を出すことができる「摂家」、太政大臣になることができる「清華家」、近衛府(近衛少将・中将)の職を世襲し、大納言までなることができた「羽林家」、侍従や弁官を世襲し、大納言になることができた「名家」が確立されていく。そして、固定できなかったイエは没落していった。

時の権力者、摂家であれば治天の君、清華家以下は、治天の君や摂家、時代を下ると平安末期の平家、鎌倉時代の源氏等といった武家勢力と結びつくことで家格の固定、上昇を狙っていった。読み進めていくうちに、日本人というか上流階級の「イエへの執着」に気持ち悪くすらなってくる。そして、執着をやめて出家してしまうとそのイエは絶えてしまう。

そして、時代は20世紀。若き日の摂家筆頭の当主近衛文麿が元老の生き残りで清華家の西園寺公望を訪ねた際、公望は文麿に対して「閣下」と呼んだらしい。藤原不比等らが大宝律令を制定してから1300年が経過している。

参考
不比等誰の子?ミカドの子!?日本史の影の主役藤原氏の正体 鎌足から続く1400年の歴史

天皇の藩屏なのか単なる人減らしか。臣籍降下した華麗なる血族・公家「源氏」たちのリアルな生き様を描く。公家源氏―王権を支えた名族

藤原道長が死んで明治維新まで840年もなぜ摂政・関白が残ったのか。五摂家の成立と職としての「摂関」を読み解く。摂関家の中世: 藤原道長から豊臣秀吉まで

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祐太郎
祐太郎 さん本が好き!免許皆伝(書評数:2380 件)

片道45分の通勤電車を利用して読書している
アラフィフ世代の3児の父。

★基準
★★★★★:新刊(定価)で買ってでも満足できる本
★★★★:新古書価格・kindleで買ったり、図書館で予約待ちしてでも満足できる本
★★★:100均価格で買ったり図書館で何気なくあって借りるなら満足できる本
★★:どうしても本がないときの時間つぶし程度ならいいのでは?
★:う~ん
★なし:雑誌などの一言書評

※仕事関係の本はすべて★★★で統一します。

プロフィールの画像はうちの末っ子の似顔絵を田中かえが描いたものです。
2024年3月20日更新

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