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ぷるーと
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推理小説である以上に人生を深く描いた作品2篇。
「故ギャレ氏」
夏休み期間中だというのにスペイン国王のパリ訪問に合わせてのさまざまな措置や対応でパリ司法警察局があたふたしていたその日は、折悪しく局長はプラハに出張中で副局長は息子が病気で休みをとっていた。さらに、その朝パリ市内で殺害された女性が発見された。
ということで、ロワーヌ地方のサンセールで亡くなったセールスマンについて不可解な点が多いため家族に身元確認をしてもらいたい、可能ならば捜査員を派遣してもらいたいとの電報が届いたとき、動けるのはメグレ警部ただ一人だった。

本作は、メグレ警部が登場する2作目の作品で主役としては最初の話。中年で巨躯のメグレは、すでに名警部としてそこそこ知られる存在であるらしい。

上品ぶったいけ好かない印象のギャレ氏の妻は、夫は別の地区を担当していてそちらにいるはずだと言い、届いた絵はがきを見せた。だが、調べていくと、ギャレは務め先を18年も前に辞めているにもかかわらずずっと家族にはセールスマンとして働いているふりをしていた、ということがわかった。そして、セールスをしていると家族に告げていたのとは違うサンセールに毎年通って、偽名でホテルに泊まっていたのだ。

メグレは、すぐに犯人探しをするタイプではない。関係者に、被害者はどういう人物だったのかをとにかく聞きまくり、人物像を深く掘り下げていく。そこから浮かび上がってるギャレ氏が、あるときからがらりと雰囲気を変えるのがミソ。


「リバティ・バー」
本作の舞台は一流のバカンス地コート・ダジュール。2人の女性が庭に内縁の夫を埋めて車で逃走を図ったものの事故を起こし走って逃げていたが捕まって拘留されている。メグレは、「騒ぎにするな」との命を受けて現地に向かった。

「故ギャレ氏」の舞台が中流のバカンス地だったのに比べて、本作は一流バカンス地コート・ダジュールが舞台。登場人物も「故ギャレ氏」は上昇志向の強い中流だったのに、本作の被害者はオーストラリアの大富豪。なんとも対照的な2つを並べたものだ。被害者の境遇も正反対と言っていいぐらいだし、愛され方も。

本作は、メグレの最終的な処理の仕方がなんともいえない。やる気があるんだがないんだかと言う感じ。でも決して嫌な感じがしないのは、メグレが真剣に被害者のことを知ろうとしているからだろう。
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ぷるーと
ぷるーと さん本が好き!1級(書評数:3018 件)

 ホラー以外は、何でも読みます。みなさんの書評を読むのも楽しみです。
 よろしくお願いします。
 

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