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本書は卑弥呼よりほんの少し前に時代を戦い抜いた魏の曹操が読んだ漢詩を分かりやすく解説する1冊。曹操のイメージが大きく変わりました。
永寿元年(155年)に生を受けて、建安25年(220年)に病死した曹操。
魏王に封ぜられ、死後には息子の曹丕が後継して魏の初代皇帝となった。
曹操は追尊して武帝と諡されている。
曹操に対しては正義としての扱い方と、悪玉としての扱い方がある。
『三国志演義』は後者のイメージを牽引してしまったのかもしれない。
梟雄として恐れられた曹操。
でも、実際は相当苦労しながら、天下を統べることができなかった人物で、その志は決して悪玉と断じて良いようなものではなかった。
しかも、自分が天下を統一して、その頂点に座るという気持ではなかったようだ。
それは彼が遺してくれた漢詩の数々からうかがえる。
本書は曹操の心情がダイレクトに込められた漢詩を紹介する1冊だ。
本書は全6章からなる。
まずテーマを示して、それに合致する漢詩を紹介する。
漢詩と読み下し文を並べて紹介し、訳で理解を促進してくれる。
そして、詳細な解説を加える。
曹操時代の漢詩の場合、言葉自体もよく分からないことが多く、その解説は不可欠。
時代背景の詳説もしてくれる。
さらに、【歴史書を読む】で、関連する経書や史書などの記事を翻訳文と訓読を挙げて教えてくれる。
場合によっては「コラム」を挟んでくれる。
加えて【中国語ピンイン】を示しながら、【註】で締めくくる。
【中国語ピンイン】なんて、大学で軽く出会った中国語の講義以来の再会である。
もっとも、しっかりと学んだ学生はいて、その人にとっては懐かしの再会ではないだろうが。
曹操はさまざまな場面で心情を吐露する。
第4章で紹介しているように、仙界への憧れを表現した漢詩もあるが、ほとんどは実際の活動とリンクさせることができるもの。
漢王朝の危機を原因を作った董卓の打倒を目的として各地から諸侯が集結した。
袁紹を盟主とした対董卓連合軍に36歳の曹操も参加。
この時、曹操は私財を投じて軍隊を編成しての参加だったという。
その時の想いは「蒿里行」に吐露されている。
「短歌行」では老いていく己、志を達成できない己を嘆く。
梟雄として描かれることがある曹操だが、第5章の「後世の人々へ」ではそんなイメージを覆す考えをまとめている。
曹操は戦争の無い太平の世を理想とする。
乱世を戦い抜いてきた男は、己の人生の大半を過ごした戦場は不要としているのだ。
そして、太平の世を実現するためには、質素倹約し、贅沢に走らず、貪欲にならないこと。
現代社会にも通ずるこの考えを実現するのは、まだまだ先のことのようだ。
いや、そもそも人間には実現できない理想郷なのかもしれない。
魏王に封ぜられ、死後には息子の曹丕が後継して魏の初代皇帝となった。
曹操は追尊して武帝と諡されている。
曹操に対しては正義としての扱い方と、悪玉としての扱い方がある。
『三国志演義』は後者のイメージを牽引してしまったのかもしれない。
梟雄として恐れられた曹操。
でも、実際は相当苦労しながら、天下を統べることができなかった人物で、その志は決して悪玉と断じて良いようなものではなかった。
しかも、自分が天下を統一して、その頂点に座るという気持ではなかったようだ。
それは彼が遺してくれた漢詩の数々からうかがえる。
本書は曹操の心情がダイレクトに込められた漢詩を紹介する1冊だ。
本書は全6章からなる。
まずテーマを示して、それに合致する漢詩を紹介する。
漢詩と読み下し文を並べて紹介し、訳で理解を促進してくれる。
そして、詳細な解説を加える。
曹操時代の漢詩の場合、言葉自体もよく分からないことが多く、その解説は不可欠。
時代背景の詳説もしてくれる。
さらに、【歴史書を読む】で、関連する経書や史書などの記事を翻訳文と訓読を挙げて教えてくれる。
場合によっては「コラム」を挟んでくれる。
加えて【中国語ピンイン】を示しながら、【註】で締めくくる。
【中国語ピンイン】なんて、大学で軽く出会った中国語の講義以来の再会である。
もっとも、しっかりと学んだ学生はいて、その人にとっては懐かしの再会ではないだろうが。
曹操はさまざまな場面で心情を吐露する。
第4章で紹介しているように、仙界への憧れを表現した漢詩もあるが、ほとんどは実際の活動とリンクさせることができるもの。
漢王朝の危機を原因を作った董卓の打倒を目的として各地から諸侯が集結した。
袁紹を盟主とした対董卓連合軍に36歳の曹操も参加。
この時、曹操は私財を投じて軍隊を編成しての参加だったという。
その時の想いは「蒿里行」に吐露されている。
「短歌行」では老いていく己、志を達成できない己を嘆く。
梟雄として描かれることがある曹操だが、第5章の「後世の人々へ」ではそんなイメージを覆す考えをまとめている。
曹操は戦争の無い太平の世を理想とする。
乱世を戦い抜いてきた男は、己の人生の大半を過ごした戦場は不要としているのだ。
そして、太平の世を実現するためには、質素倹約し、贅沢に走らず、貪欲にならないこと。
現代社会にも通ずるこの考えを実現するのは、まだまだ先のことのようだ。
いや、そもそも人間には実現できない理想郷なのかもしれない。
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ここに参加するようになって、読書の幅が広がったように思います。
それでも、まだ偏り気味。
いろんな人の書評を参考に、もっと幅広い読書を楽しみたい!
この書評へのコメント

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