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彼がいれば安心なのである。
タイトルからもわかるように、建物の営繕を請け負う「営繕かるかや」が関わる建物怪異譚を描く短編集で、本書で第四弾となる。このシリーズ存在は知っていたが、いままで読んでこなかった。小野不由美作品は結構読んできているのに、しかも小野氏が得意とする怪異譚なのにね。
本書には六編収録されていて収録作は以下のとおり。
「忍びよる」
「迦陵頻伽(かりょうびんが)」
「鉄輪」
「いつか眠りを」
「夜明けの晩に」
「風来たりて」
それぞれ様々な人が遭遇する建物にまつわる怪異が描かれる。そうなってくると、条件が縛られている分パターンが決まってしまって変わり映えしない印象を与えるかと思いきや、四巻も続いているだけあってそれぞれ趣向が凝らしてあり飽きさせない。
何かを連れて帰ってしまう。何かを起こしてしまう。何かを蔑ろにしてしまう。何かがいる。何かに見られている。何かが、何かが。
「何か」とは因縁と業と罪と怨みと遺恨。それは、思念となってこの世にとどまる。嫌な感じ、嫌な場所、嫌な雰囲気などは残留した思念が引き起こす。やはり怖いのは人なのだ。それが宿る建物は忌まわしい場となってゆく。体験していなくてもわかる。その時がくればわかるのである。
そういった不可解な現象に直面した人は苛まれる。見たくないものを見てしまう。聞きたくないものを聞いてしまう。不安と恐怖、精神が張りつめる。
ここに登場する「営繕かるかや」の尾端は霊能者ではない。だから元凶を鎮めるとか成仏させるとか、直接手を下して解決することはない。しかし彼はいままで体験したことのない恐怖や不安を抱えた人に接して、一番いい未来を与えてくれるのである。緊張と恐怖でバランスを崩しそうになっている精神を正常に近づけてくれるのである。
いったい人というものは理解できないものに対して果てしない恐怖を感じるものだ。彼はそれを鎮めて光を与えてくれる。だから救われる。彷徨いだして漂う心をそれぞれ元の場所におさめてくれる。
彼がいれば安心なのである。
本書には六編収録されていて収録作は以下のとおり。
「忍びよる」
「迦陵頻伽(かりょうびんが)」
「鉄輪」
「いつか眠りを」
「夜明けの晩に」
「風来たりて」
それぞれ様々な人が遭遇する建物にまつわる怪異が描かれる。そうなってくると、条件が縛られている分パターンが決まってしまって変わり映えしない印象を与えるかと思いきや、四巻も続いているだけあってそれぞれ趣向が凝らしてあり飽きさせない。
何かを連れて帰ってしまう。何かを起こしてしまう。何かを蔑ろにしてしまう。何かがいる。何かに見られている。何かが、何かが。
「何か」とは因縁と業と罪と怨みと遺恨。それは、思念となってこの世にとどまる。嫌な感じ、嫌な場所、嫌な雰囲気などは残留した思念が引き起こす。やはり怖いのは人なのだ。それが宿る建物は忌まわしい場となってゆく。体験していなくてもわかる。その時がくればわかるのである。
そういった不可解な現象に直面した人は苛まれる。見たくないものを見てしまう。聞きたくないものを聞いてしまう。不安と恐怖、精神が張りつめる。
ここに登場する「営繕かるかや」の尾端は霊能者ではない。だから元凶を鎮めるとか成仏させるとか、直接手を下して解決することはない。しかし彼はいままで体験したことのない恐怖や不安を抱えた人に接して、一番いい未来を与えてくれるのである。緊張と恐怖でバランスを崩しそうになっている精神を正常に近づけてくれるのである。
いったい人というものは理解できないものに対して果てしない恐怖を感じるものだ。彼はそれを鎮めて光を与えてくれる。だから救われる。彷徨いだして漂う心をそれぞれ元の場所におさめてくれる。
彼がいれば安心なのである。
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本が大好きで、毎日本のページを繰っています。
小説なら、どんなジャンルでも挑戦しております。
小説の神様は山田風太郎と皆川博子とスティーヴン・キングだと思っています。
あと川谷絵音も大好きです。よろしくお願いします。
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- 出版社:KADOKAWA
- ページ数:0
- ISBN:9784041132418
- 発売日:2025年06月26日
- 価格:2090円
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