まるでアガサ・クリスティの「マザーグース殺人事件」のような事件である。
父親で著名な写真家の勇一郎のスタジオも完備された新築一戸建てに引っ越したばかり。
美しく聡明な姉:一美。目立ちたがり屋の兄:行一。料理上手で物静かな母:由美子。
そしてすぐに物事に退屈してしまい刺激を求めてしまう省一。
幸せな家族としてCMに出演するはずだった中道一家。
が、撮影開始前に撮影クルーと一緒にした夕食会の席で不気味な唄が披露され、その翌朝、雄一郎の死体がスタジオで発見される。
スタジオは密室で、その死に様は前日の夜に歌われた不気味な唄に酷似していたのであった。
物語は語り手である省一の目を通して語られる。
父の次は事故か事件か判明しない行一の死。
そして精神が不安定になっていた母:由美子は絞殺体で発見される。
歌の順番通りに事件は起こり、省一の級友も中道家で行われた誕生日パーティで不審死。
最後は美しく聡明な姉:一美が焼死んだ。
発表されたのは1989年で同人誌に連載されていたものを刊行したらしい。
どこかで読んだような展開だし、すぐに犯人は分かるし、色々な部分でミステリーとしても緩いかな?とは思うが、この作品はそう読むべきものでは無い、と解説に書かれている。
解説を書いているのは松井和翠氏。
氏は「家族という最小単位の共同体が持つ脆弱さと、それが故の拘束力の強さを示唆している」と。
う〜〜ん、そうなのか。
私には超古典的なミステリー作品としてしか読めなかったが、2023年以来2025年現在で14刷もされているということは、それなりの評価がなされているということなのだろう。
実際、図書館のリクエストもかなりあった。
どこでこの本に興味を持ったのか(新聞広告?だったかな?)自分的には結末が完璧に予想され、古典ミステリーってこうだったなぁくらいの懐かしさだけで読了した。
この書評へのコメント