DBさん
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人類に悪影響を及ぼす植物の本
薬用植物や有毒植物の図鑑はよく目にしますが、植物に「邪悪」という形容詞をつけることが意外だった。
ホーソーンの『緋文字』に「この風土が生み出しうるかぎりの邪悪な植物」としてベラドンナやウルシ、ヒヨスがあげられていて、タイトルもそこから来ているようです。
毒を持つものは数多いが、毒として使うのも誤食するのもあくまで人間の都合だと思う。
素人でも知っているトリカブトから始まります。
精製してカプセルに入れるなんて真似をしなくても、セイヨウワサビと間違えてトリカブトのニンジンに似た白い根を食べて死んだケースは少なくないそうです。
ギリシャ神話ではケルベロスの唾液からトリカブトが生えてきたという。
観葉植物には実は毒があるものが多いとして紹介されているが、毒草は虫がつかないから育てやすいからかと思っていた。
ジャガイモやエルダーベリー、アカインゲンマメ、キャッサバのように普段食用とされているのに、実は生で食べたり処理方法を間違えると毒になるものもある。
ビンロウやコカノキ、タバコのように嗜好品となっているが、長期的に毒となるものもある。
タイトルになっているリンカーンの母を殺したのは、マルバフジバカマいうキク科の植物で、これを食べた家畜の牛乳やバター、肉に中毒を起こすミルク病とも呼ばれるものだった。
セイラムの魔女の伝説の原因になったと思われる麦角の話も出てくる。
毒草や毒キノコだけでも種類は多いが、直接摂取して害が及ぶものだけではない。
ウルシに代表されるように接触性皮膚炎を引き起こすもの。
揮発性の成分があって火事を起こしてしまう植物。
有毒の刺を持つもの。
そして繁殖力が強すぎて他の植物を駆逐するものとして、緑の悪魔ことホテイソウもここにのっている。
水路やダムをふさいで繁殖するこのホテイソウ、睡蓮鉢に浮かべようと買ったけど枯らしたことがある。
水を切らせたわけでもないのになぜだろう。
さらにはコカやペヨーテのように習慣性があって人間に悪影響を与えるものまであります。
その流れでアブサンやズブロッカも出てきます。
それぞれの植物の特性とエピソードが植物の絵と一緒に紹介されていて面白かった。
著者はカリフォルニア州在住のガーデニングなどのコラムニストだそうで、学術よりではないのが読みやすい。
こうして数々の「邪悪な」植物たちを見ていると、自然の山野なんて危険極まりない場所に思えてくる。
スケッチのようなイラストがなかなか素敵だった。
ホーソーンの『緋文字』に「この風土が生み出しうるかぎりの邪悪な植物」としてベラドンナやウルシ、ヒヨスがあげられていて、タイトルもそこから来ているようです。
毒を持つものは数多いが、毒として使うのも誤食するのもあくまで人間の都合だと思う。
素人でも知っているトリカブトから始まります。
精製してカプセルに入れるなんて真似をしなくても、セイヨウワサビと間違えてトリカブトのニンジンに似た白い根を食べて死んだケースは少なくないそうです。
ギリシャ神話ではケルベロスの唾液からトリカブトが生えてきたという。
観葉植物には実は毒があるものが多いとして紹介されているが、毒草は虫がつかないから育てやすいからかと思っていた。
ジャガイモやエルダーベリー、アカインゲンマメ、キャッサバのように普段食用とされているのに、実は生で食べたり処理方法を間違えると毒になるものもある。
ビンロウやコカノキ、タバコのように嗜好品となっているが、長期的に毒となるものもある。
タイトルになっているリンカーンの母を殺したのは、マルバフジバカマいうキク科の植物で、これを食べた家畜の牛乳やバター、肉に中毒を起こすミルク病とも呼ばれるものだった。
セイラムの魔女の伝説の原因になったと思われる麦角の話も出てくる。
毒草や毒キノコだけでも種類は多いが、直接摂取して害が及ぶものだけではない。
ウルシに代表されるように接触性皮膚炎を引き起こすもの。
揮発性の成分があって火事を起こしてしまう植物。
有毒の刺を持つもの。
そして繁殖力が強すぎて他の植物を駆逐するものとして、緑の悪魔ことホテイソウもここにのっている。
水路やダムをふさいで繁殖するこのホテイソウ、睡蓮鉢に浮かべようと買ったけど枯らしたことがある。
水を切らせたわけでもないのになぜだろう。
さらにはコカやペヨーテのように習慣性があって人間に悪影響を与えるものまであります。
その流れでアブサンやズブロッカも出てきます。
それぞれの植物の特性とエピソードが植物の絵と一緒に紹介されていて面白かった。
著者はカリフォルニア州在住のガーデニングなどのコラムニストだそうで、学術よりではないのが読みやすい。
こうして数々の「邪悪な」植物たちを見ていると、自然の山野なんて危険極まりない場所に思えてくる。
スケッチのようなイラストがなかなか素敵だった。
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好きなジャンルは歴史、幻想、SF、科学です。あまり読まないのは恋愛物と流行り物。興味がないのはハウツー本と経済書。読んだ本を自分の好みというフィルターにかけて紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。
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- 出版社:
- ページ数:255
- ISBN:9784255006635
- 発売日:2012年09月27日
- 価格:1890円
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