第2次世界大戦中に大日本帝国陸軍内に極秘で設立されたスパイ養成機関である「D機関」。
D機関への採用は「地方人」(一般の民間人の意)を対象とするものであった。
その「異様」ともいえる能力を発揮して十数名の受験者たちが選出された。
スパイたちを率いる結城中佐は繰り返し「死ぬな、殺すな、とらわれるな」と言う。
そして、理想のスパイとは「静かで、目立たない、影のような存在」であると。
作中で結城中佐が「魔王」と表現される部分があるが
その采配はまさしく魔王!
よく観るアクションシーンだらけのスパイ映画ともまた違って面白かった。
決して派手ではないがいつの間にか引き込まれてしまう迫力ある本格的スパイ小説!
静かに、それでいて完璧に任務をこなしていく異常ともいえる才能をもつスパイたちが格好良い。
細部まで入念に作りこまれていて最初から最後まで気が抜けない。
最終章「XX」では結城中佐がD機関を辞退していくに元・スパイ掛けた
「死ぬなよ」の一言で初めて結城中佐の人間らしさが垣間見えた気がした。
最後の最後グッときた。
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