書評でつながる読書コミュニティ
  1. ページ目
詳細検索
タイトル
著者
出版社
ISBN
  • ログイン
無料会員登録

Jun Shinoさん
Jun  Shino
レビュアー:
壊れたような言動の男。怖さとともに、少しだけ、分かる気がする表現。

著者のデビュー2作め、2004年の作品で野間文芸新人賞受賞作品だそう。中村文則は「掏摸」を読み、ダークだなあと感じた記憶がある。今作は大学生の男の内面、まさに"壊れて"暴走する。

男には虚言癖があった。恋人の美紀はアメリカに留学していて、いつも楽しそうに美紀の話を友人にしていた。その躁が入ったような話し方や時折り、ひどく暴力的になったりどこか行き過ぎるところ、言動が演技っぽい部分などを友人たちに怪訝に思われる場面も多かった。美紀は交通事故で死んでおり、男は美紀の一部を、持っていたー。

それっぽい、演技の積み重ね。どうしたらなじめるのか、分からない。主人公の周囲は女友達が風俗のアルバイトをしていたり、先輩が女を呼び出して襲おうと目論んだりと、猥雑な色合いが強い。徹底的に自分がない、虚言ばかりで、時にコントロールが効かないような男、その中の真実とは、をあぶり出している感覚。

荒っぽい、受け入れ難い状況。でもなぜかほんの少しだけ、理解できる気がしてしまう。それは若さでアイデンティティに悩んだ時、自分のキャラが分からないという壁にぶつかった時、少しでも良かれいう方向の演技をする行為、行動に思考が追いつかない、という現象にどこか納得できるからかもしれない。

荒くエグく暗い笑。主人公が信じられない。なにか尖ったものを突きつけられているような気分でもある。独特のテイストだ。
掲載日:
外部ブログURLが設定されていません
投票する
投票するには、ログインしてください。
Jun  Shino
Jun Shino さん本が好き!1級(書評数:1438 件)

読む本の傾向は、女子系だと言われたことがあります。シャーロッキアン、アヤツジスト、北村カオリスタ。シェイクスピア、川端康成、宮沢賢治に最近ちょっと泉鏡花。アート、クラシック、ミステリ、宇宙もの、神代・飛鳥奈良万葉・平安ときて源氏物語、スポーツもの、ちょいホラーを読みます。海外の名作をもう少し読むこと。いまの密かな目標です。

参考になる:7票
あなたの感想は?
投票するには、ログインしてください。

この書評へのコメント

  1. No Image

    コメントするには、ログインしてください。

書評一覧を取得中。。。
  • あなた
  • この書籍の平均
  • この書評

※ログインすると、あなたとこの書評の位置関係がわかります。

『遮光』のカテゴリ

フォローする

話題の書評
最新の献本
ページトップへ