赤い刻印



教場シリーズで人気作家となった長岡弘樹の、教場2と同時期に上梓された短編集。正直出来映えは今一つだった。
長岡弘樹作「赤い刻印」を読みました。 【赤い刻印】中学三年生の羽角菜月はこの頃、幼い事の写真を…

本が好き! 1級
書評数:866 件
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こんにちは。ブクレコ難民です。今後はこちらでよろしくお願いいたします。



教場シリーズで人気作家となった長岡弘樹の、教場2と同時期に上梓された短編集。正直出来映えは今一つだった。
長岡弘樹作「赤い刻印」を読みました。 【赤い刻印】中学三年生の羽角菜月はこの頃、幼い事の写真を…





2021年の東京で、名も無きコードが突然自らブッダだと名乗り、この世の苦しみとその原因を説き、苦しみから脱する方法を語り始めた。多くの機械がそれに帰依し、ある時突然ブッダ・チャットボットは寂滅した。
円城塔作「コード・ブッダ 機械仏教縁起」を読みました。 【1 如是我言】2021年東京、オリン…




高野秀行の酒ルポ第二弾。エチオピアに酒を主食にする民族があると聞いた先生は、たまたまテレビのロケ番組の企画が通り、念願の当地を訪問した。そこには少量でも酒は毒だとする西欧の説とは全く違う事情が。。。
高野秀行作「酒を主食とする人々」を読みました。高野先生の面白ルポ第三弾であります。 【第一章 …





高村の夕食に惹かれて伊東くんは高村が住む京都の町屋でシェアハウスを始めた。しかし伊東くんには彼女の華にはそれを内緒にしていた。しかし華は伊東くんの秘密に気づき。。。3人が出した結論とは。。。
千早茜作「さんかく」を読みました。 【塩むすび】雨が降ると、高村夕華が住んでいた古い木造の京町…




寛仁親王の長女彬子は学習院大学の普通の生徒だった。しかし父の意志を継ぐべくオックスフォード大学に留学し、5年に及ぶ苦闘の結果、ついに皇族初の博士号を得るに至った経緯を詳らかに記す留学記。
彬子女王作「赤と青のガウン」を読みました。彬子女王は亡き三笠宮寛仁親王のご長女です。 【1 百…





アメリカ文学最後の秘密と呼ばれたルシア・ベルリンの最終短編集。22編のエピソード全てが常に死と滅びの予感をたたえながらも、鮮烈なイメージと多彩な色彩と生への喜びで彩られる。
ルシア・ベルリン作「楽園の夕べ」を読みました。本書で彼女がこの世に残した短編76編はほぼ網羅されたの…





1人の男がイタリアで暗躍していた。男は様々に変装し、最終目的地ローマに辿り着いて1人の台湾人を射殺した。しかしその直後、何者かに男もまた狙撃され、男は欧州中を逃走しながら自分をはめた相手を探す。。。
張國立作「炒飯狙撃手」を読みました。 第一部 【1 イタリア、ローマ】男は様々に変装しながらイ…




菜々は奉公先の市之進と佐知夫婦に可愛がられて幸せだった。しかし菜々には轟平九郎に切腹を強いられた父の仇を取るという本懐があった。しかし佐知は亡くなり轟は市之進を陥れ、菜々は暮らしを立てる為に自ら。。。
16歳になった菜々には寝坊する癖がありました。風早家に初めて女中として奉公に上がった日の翌朝、菜々は…





信長を裏切って籠城した荒木村重は、次々に起こる怪事件を前に、裏切りの恐怖に怯えていた。一方織田方の使者として城を訪れた黒田官兵衛は、戦国の乗法に背いた村重に土牢に幽閉された事で、怒り心頭に達していた。
米澤穂信作「黒牢城」を読みました。第166回直木賞受賞作品です。 【序章 因】摂津国大坂の本願…




性格狷介で気難しい変わり者の土門は、卓越した鑑定技術を買われて、最後の鑑定人と呼ばれ、警官と法曹界の人々に頼られていた。彼が自らの持つテクニックとポリシーを賭けて5つの事件の鑑定に挑む。
岩井圭也作「最後の鑑定人」を読みました。 【遺された跡】弁護士の相田直樹は、依頼人の北尾明彦と…





淫蕩で奔放な女性を書かせれば日本一二を争う人気作家村山由佳のバックボーンを作った母親との軋轢を綴った自伝的作品。
村山由佳作「放蕩記」を読みました。奔放な作風で知られる村山先生の自伝的小説ですが、「アダルト・エデュ…




蕪村の謎の5つの俳句に隠された、蕪村及び周囲の人々の恋を巡る逸話5編に蕪村死後の弟子月渓の行動を巡る1編を加えた短編集。人生の機微をえぐるしみじみとした良作揃い。
葉室麟作「恋しぐれ」を読みました。 【夜半亭有情】若い男が蕪村の家の様子を伺っていました。蕪村…



新進気鋭のAI学者胡桃沢は、下半身麻痺をおして、AIに心を獲得させる研究に打ち込んでいた。しかしAIの軍事利用を拒否する彼はさまざまな抵抗に晒され、命の危機を告げられるが。。。
一本木透作「あなたに心はありますか」を読みました。 【第一章 陰謀の影】東央大学特任教授胡桃沢…




幼いまどかは家族と共に治安の悪い国に移り住み、現地で番犬を手に入れた。初めは弱く、頼りなかった虎と名づけた仔犬は、後に巨大で狂暴な猛犬に育ちましたが、ありあまる愛でまどかを守り、ついにまどかは。。。
千早茜作「雷と走る」を読みました。 まどかは昔飼っていた犬、虎の悪夢を見ていました。巨大で狂暴…




ある日、夕凪寿司を営む店主のさやかと祖父で元店主の伊助と未來の元にまひろが現れる。まひろはDVやセクハラ、パワハラに悩まされていたが、さやかと未來にも葛藤があり。。。しかし4人は家族の絆を結び。。。
森沢明夫作「さやかの寿司」を読みました。 【第一章 【ハンバーグの石】22歳のまひろは海沿いの…




クリーランと人類との戦いはいよいよ終盤を迎える。惑星ケランで絶滅寸前だった地球軍は、個々の兵士達の奮闘により次第に劣勢を挽回する。一方クリーランは探し求めていたものをついに見出し。。。
マイケル・R・ヒックス作「女帝の名のもとに ファースト・コンタクト 下」を読みました。 地球遠…




深宇宙を探検する地球の航宙船が、突然はるかに文明の発達した異星人に突然襲撃される。しかし何故か異星人は地球人を全滅させずに、わざわざ自らの身を危険にさらしながら一騎打ちの近接戦闘を挑む。
マイケル・H・ヒックス作「女帝の名のもとに ファースト・コンタクト 上」を読みました。何でも作者は、…



一穂ミチの短編集。冒頭から凡庸な短編が続く中、「ごしょうばん」等いくつかの好短編によって漸く挽回された作品。
一穂ミチ作「うたかたモザイク」を読みました。 一sweet一 【人魚】東京に住む僕は彼女と交際し…



元東大生の巽は政治犯として北海道の樺戸監獄に送られる。同房の大二郎は面白い嘘ばかりつく監獄の人気者だった。2人は共に非人道的な釧路監獄に送られ、死にかけるがなんとか生き延びる。しかし大二郎は脱走し。。
河崎秋子作「愚か者の石」を読みました。 【第一章 北の野辺】瀬戸内巽は、東京大学の学生として反…




本の墓場、弔堂を今回訪れたのは意外な化け物だった。それは巨大な江戸の闇を背負った化け物で、秘密の歴史の生き証人だった。しかし店主は彼ら抗わなければ今の世は無かったのだと言い、化け物に未来を。。。
京極夏彦作「書楼弔堂 炎待宵」を読みました。今回の狂言回しは元武士らしい、弔堂近辺に棲む甘酒屋弥蔵で…