半落ち





妻殺しの暗いトーンで淡々と続くストーリー。これは外れかなと思ったら……ラストニ十ページの破壊力!電車の中だったけど、泣いてしもた。
構成が見事。 四十九歳のW県警の現職警察官、梶聡一警部 は妻を殺した。 アルツハイマー…
本が好き! 1級
書評数:455 件
得票数:6611 票
仕事、FP活動の合間に本を読んでいます。
できるだけ純文学と経済・社会科学系のものをローテーション組んで読むようにしています(^^;
相場10年、不良債権・不動産10年、資産形成(DC、イデコ)20年と、サラリーマンになりたての頃は思っても見なかったキャリアになってしまいました。





妻殺しの暗いトーンで淡々と続くストーリー。これは外れかなと思ったら……ラストニ十ページの破壊力!電車の中だったけど、泣いてしもた。
構成が見事。 四十九歳のW県警の現職警察官、梶聡一警部 は妻を殺した。 アルツハイマー…





プロ野球界を軸に描かれる横浜~台中(台湾)~光州(韓国)の人々の生き様には、予想以上にビビッと来た。平凡なタイトルと、船戸与一のアクの強さで損していると思う。
本書は五つの章から成る。 一九九八年 横浜元町のスナック 冒頭で登場する棚橋喬児…



短期の相場の浮き沈みにこだわらず、信念をもって運用するさわかみ投信の創業者。 この方の相場に対する姿勢は尊敬するのだが、本書は随筆タッチの書き下ろし。後半、ちょっと粗いかも。
主題はアメリカを中心とした今の株式市場への懸念。 富裕層中心に絶好調と思われる株式マーケット。 …




びっくり仰天。ノーベル化学賞受賞のバウル・クルッツェンが唱えた危機的な地球の状態「人新世」。打開策がマルクスの「資本論」なのか?
構えて読んだけど、要点が丁寧に整理されていてわかりやすかった。 「人新世(ひとしんせい)」は人…




主題は観光政策の欠陥の指摘と地域再生だと思うが、読後感はちょっと切ない。真面目に、丁寧に日本の観光についてのロジックを積み上げている部分が特に。
主題は後半にあるのだが前半部分、自分の意見を抑えた生真面目な実態分析と学説多用による膨大な 地域社会…




ナポリの闇社会。足枷を外そうともがく人々の苦悩が切ない。
イタリア半島南部、ナポリ。 そこでの二人の少年の出逢いと別れ。 そして時を経ての衝撃的な再会…




主人公の青瀬とその家族、同僚たち、謎のクライアント……主要キャラがことごとく負け組。彼らのすがるような希望が、深い谷間の飯場に差す淡い光「ノースライト」。
横山さんの作品、初めて読んだ。 日本の経済成長期、ダムのコンクリート型枠職人の子どもに生まれ、…




第二次大戦前後、最強アメリカ政府の情報はソ連スパイに筒抜けになっていた。FDRが大統領でなければ今、中国は資本主義国家だったかも。
かなりな誇張があると思うし、見る人の立場で思うことは違うだろう。 しかし添えられている証拠や証…




資産運用の世界に浸透している行動経済学。その基礎を造った二人のユダヤ人学者の壮絶な人生が描かれる。
檻の中のサルAが宝物のように大切にしていた「キュウリ」。 それが隣のサルBに与えられた「バナナ」を…



拡張するアメリカに併合されたハワイの人々。でも僕は「新世界」のなかでは最も被害が少なかった人たちではないかと思うのだ。
猿谷要さんの著作はアメリカのマイノリティー民族をテーマにしたものが多い。 僕は学生時代、西部開拓が…



自分の出自、血統を変えられたら……。たしかに小さい頃、そう考えたことはあった。
平野さんの作品は実は初読。 読み終わって一瞬「主人公は誰なの?」状態だった。 語り部で「ある…




時は明治維新。世界一周の旅に出たハワイ国王の日本滞在記。道中の記録を書いたのはハワイ生まれのアメリカ人で、訳と解説は荒俣宏さんなのだ。
1881年(明治14年)、ハワイのカラカウア王は非公式の世界一周旅行に出た。 本書で書かれているの…





教科書では理解が難しい荒木村重の行動。圧倒的な信長軍に包囲された城郭のなかで人々は何を思い、生き、そして死んでいったのか?実はやりきれない内容なのだ。
信長から重用され、石山本願寺と毛利の連携を遮断する重要な地を任されていた荒木村重。 そこで彼は反旗…



FIRE本のベストセラーランクの上位だったので購入したけど、タイトルとビミョーに違う。中身はライフプラン総論みたいな内容だった。
そもそも本書を購入したのは自分もFPの端くれ、アメリカから輸入されたという FIRE の概念を純粋に…



武家政権発足から江戸幕府成立までの歴史を、IFを想定して俯瞰する。やっぱり戦国末期が一番わくわくするのだが……。
過去は変えようがないのだが、「もしも……だったら」と考えながら歴史の分岐点を眺めると、 ・その後…




北西ヨーロッパとアジアの交流は、東インド会社により飛躍的に発展した。 資本主義の萌芽、国民国家の形成などてんこ盛りの内容。
一六世紀、ポルトガルのヴァスコ・ダ・ガマの「インド発見」をきっかけに、西ヨーロッパ勢力のアジア侵攻が…





ネットワーク宇宙の束縛から解放され、滅亡した人類の再生にいどむ最後の人類サーヤ。 ……しかしまさかの結末には震えが来た!
正月休みでなければ完読できなかっただろう。 下巻ラストは、宗教的色彩も感じる壮大さ。 白髪三…




10億以上の星系をつなぎ、140万以上の知的種族が加入するネットワーク宇宙。そこには「人類」という狂暴な絶滅種属の伝承があった。
スペースオペラみたいな軽い冒険ストーリーだと思ったら大間違いの深さ。 この銀河世界に構築さ…





カレンダーは毎年買っていたが、本ははじめて。きっかけは、わたせさんが学部の先輩と知ったから。
青春時代に憧れたこと。 それは一世代前の人たちが語る、少しばかり誇張された体験だったりする。 …



ベルリンの壁崩壊以降、民主主義に対抗できるイデオロギーは消滅。俄然、宗教がクローズアップされたのだが、実は宗教には異教徒、異民族などの殺戮を促す残酷な側面がある。
1989年11月ベルリンの壁崩壊と、その二年後のソヴィエト連邦崩壊。 これにより民主主義に抵抗…