暇なんかないわ 大切なことを考えるのに忙しくて: ル=グウィン・エッセイ集
こんな時だから、この人の声が、話が聴きたい。 直接お目にかかることは叶わないけれど、本を開けばこの人に会える。 言葉の力、人生の意味を、信じる者たちの連帯は、危機にも揺るがぬはずだ。
あの「ジョゼ・サラマーゴ」のブログに触発されて、あの「アーシュラ・K・ル=グウィン」がブログをやって…
本が好き! 1級
書評数:791 件
得票数:12258 票
小学校時代は図書室に入り浸って子供向け全集を読破したり、本の続きが気になってランドセルを背負ったまま読みながら歩く子どもでした。小遣いでポプラ社のルパンを全巻揃えていたので、本屋の店頭で280円が380円になっていたときは大ショックでした。
中高時代は親に貰った昼食代で文庫を買ってしまい、昼食を摂らずに読んでいたことも・・・当時の愛読書はG・K・チェスタトンと「銀の匙」。
大学進学後は生身の人間の方が面白くなり読書量は減りましたが、30すぎてからまたぼちぼち読むようになりました。
出産を機に哲学の古典をソクラテス以前から読んでみたり(途中であえなく挫折)、シェイクスピア全集を読破したりしました(もちろん日本語)。
長距離電車に乗るのに本を持っていないと耐えられない体質でしたが、最近は年をとったのか、パズルでも大丈夫になってしまいました。
息子たちも本を語れる年になってきました。
息子らはアクションが好きなのですが、私は結局のところ、北村薫やら宮部みゆきの方が落ち着きます。
こんな時だから、この人の声が、話が聴きたい。 直接お目にかかることは叶わないけれど、本を開けばこの人に会える。 言葉の力、人生の意味を、信じる者たちの連帯は、危機にも揺るがぬはずだ。
あの「ジョゼ・サラマーゴ」のブログに触発されて、あの「アーシュラ・K・ル=グウィン」がブログをやって…
岬洋介が帰って来た。 音楽の女神に選ばれた男。しかも天性の名探偵。
時は2006年。 岬洋介は司法修習生。 当然、優秀。 さよならドビュッシー お…
ギヴァー4部作、再び完結。 勇気ある母、勇気ある若者は、悪と対決する。
ギヴァー3部作が一応の結末を見てから、さらに時を経て書かれた、最終的な解決編。 題名はSON(…
「オリエント急行殺人事件」とも、「西部戦線異状なし」とも、関係はありません。 休暇で湖畔のキャンプ場にきた通りすがりのぼくが、なぜか村の生活に取り込まれていく。 1999年の作品。訳は2003年。
ぼくは、いずれアジア旅行をしたいと思いながら、湖畔のキャンプ場で一人キャンプをしていたけれど、 気…
名門野球部補欠部員の青春ドラマ。 ひゃくはちは、煩悩の数で、野球のボールの縫い目の数。
表紙を見るまで何の話か気づかなかったが、 ひゃくはちとは、煩悩の数で、野球のボールの縫い目の数。 …
逃げたっていいんだよ。 自分の生きる場所を他に探していいんだよ。 自分が悪い、しかたない、と思い込み、想像力を持てず、固まっている小さな子どもたちに宛てて、 朝井リョウが手渡した、これは希望の物語だ。
児童養護施設「青葉おひさまの家」。 両親を交通事故で失い子どものいない伯父夫婦に引き取られた太輔。…
物語はいよいよ佳境に入り、正しい者の上にも悪人の上にも、例の伝染病が猛威を振るいます。 近代のイタリア語を確立した作品。 ユーモラスな名調子は、日本ならさしずめ圓朝ですかね。
舞台は17世紀初頭で、17世紀に書かれたものを注釈付きで紹介している体裁を取っていますが、書かれたの…
19世紀イタリア最大の国民作家による17世紀ミラーノの物語。物語の面白さを満喫できます。
アレッサンドロ・マンゾーニは19世紀イタリア最大の国民作家で、イタリアのどの家庭にもダンテの「神曲」…
読み応えのある大河小説。 教育とは。家族とは。 千葉県で昭和36年から平成20年まで。 学校教育と学習塾への挑戦を通じて、三世代の男と女、親と子の生き方を描く。
子どもたちに乞われて勉強を教えていた用務員の大島吾郎が、1年生ながら冴えた目をしている蕗子と出会うと…
1895年生まれのエセル。 1900年生まれのアーネスト。 出会い、結婚し、1928年から1971年まで添い遂げた二人。 その息子レイモンドによってロンドンに暮らす庶民の日常が描かれる。
レイモンド・ブリッグズと言えば、老夫婦の目から見た核戦争を扱った絵本「風が吹くとき」の印象が強いので…
ユートピアなんてどこにもない。 きっとここではないどこか別のところにある? いつか誰かが与えてくれる? 今ここで生きている貴女にとって、一番大切なものは何ですか。
ここは太平洋を望む小さな町、鼻崎町。 ここには3種類の住民がいる。 ここで生まれ育った地元民…
自分の人生を極限まで生きていなくてどうして命の詩を歌えようか。 堪えて堪えて堪えた末のスムビソリ(磯笛)。
生命は海で生まれ、海に還る。 観光・済州島出身の詩人、ホ・ヨンソンによる、海女たち賛歌の詩集で…
自分を探し、神を求め、宇宙の原理を知りたいと欲しながら、自分にとって大切な存在に肯定の微笑み一つ与え合えない不器用な男たちの群像。
600頁読むには忍耐が要る。 自殺をほのめかして失踪した彼女立花涼子の行方を探し、主人公楢崎透…
ちいさな謎がそのひとの人生に及ぼす影響はけっして小さくない。 北村薫の詰め合わせ。
お馴染み、北村薫の詰め合わせ。 よく知らない店の福袋を安さにつられて買ってしまうと、口に合わないも…
1991年3月、祖国アルバニアでの生活に絶望した数万人が貨物船に乗りアドリア海対岸のイタリアへ向かったが、主人公セサル・ルーミは船を降りて町に戻った。 「敗残者」としての人生の回想が始まる。
1991年3月祖国アルバニアでの生活に絶望した数万人が貨物船に乗り込み、アドリア海対岸のイタリアへ向…
幼い妹ブルニルダでさえ、クマのぬいぐるみブレル、ウサギのぬいぐるみマチョクを失った。旅に出るには何かを失う覚悟が必要なのだ。 アルバニアからイタリアへ。彼らは不法滞在者。 #はじめての海外文学vol5
アルバニア北部のレジャ出身のヴィキが主人公。 父ゼフは1年半前から、実兄のアルベンを頼ってイタリア…
過去に冤罪を作ってしまったことを悔い、それから逃げずに責任を取ろうとする四国巡礼中の退職刑事。極秘捜査を任され、幼女殺害犯を追う元部下。刑事ものであると同時に家族の絆を描く。 #ナツイチ2020
冤罪事件で一番苦しむのは濡れ衣を着せられた当人だろうが、被害者・被害者遺族もその被害を受けていると言…
「ギヴァー」「ギャザリング・ブルー」に続く三部作いちおう完結編。 3つの物語の登場人物たちがつながる。
2004年の作品。翻訳は2014年。 「森」をよく知る少年マティは目の見えない「見者」と暮らし…
ギヴァー4部作の2作目。原作は2000年、訳は2013年。 「ギヴァー」と場所と人物は重ならない。 主人公キラは脚が不自由で、裁縫・刺繍が得意。 強い者が支配する生存競争と創造性搾取の社会で暮らす。
少女キラは母カトリーナの死で天涯孤独となった。 キラの父クリストファーは、母がキラを妊娠中に狩…
すべての子どもは未来を託された存在である。 人間が人間らしくあるために必要なことは。 効率的な管理社会はなぜおぞましいのか。
近未来小説 ギヴァー4部作の1冊目。 原書は1993年。1994年度ニューベリー賞。 1995年…