絶望読書
絶望から無理に立ち直らせるのではなく、絶望している期間内に共にいてくれる命綱となる本を紹介してくれる実用書。備えて読んでおくも良し。文庫版。
絶望した時は、まずはしっかり悲しみ、絶望の高原を歩いてゆき、立ち直るのはそれからでいい。 慌てて無…
本が好き! 1級
書評数:791 件
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小学校時代は図書室に入り浸って子供向け全集を読破したり、本の続きが気になってランドセルを背負ったまま読みながら歩く子どもでした。小遣いでポプラ社のルパンを全巻揃えていたので、本屋の店頭で280円が380円になっていたときは大ショックでした。
中高時代は親に貰った昼食代で文庫を買ってしまい、昼食を摂らずに読んでいたことも・・・当時の愛読書はG・K・チェスタトンと「銀の匙」。
大学進学後は生身の人間の方が面白くなり読書量は減りましたが、30すぎてからまたぼちぼち読むようになりました。
出産を機に哲学の古典をソクラテス以前から読んでみたり(途中であえなく挫折)、シェイクスピア全集を読破したりしました(もちろん日本語)。
長距離電車に乗るのに本を持っていないと耐えられない体質でしたが、最近は年をとったのか、パズルでも大丈夫になってしまいました。
息子たちも本を語れる年になってきました。
息子らはアクションが好きなのですが、私は結局のところ、北村薫やら宮部みゆきの方が落ち着きます。
絶望から無理に立ち直らせるのではなく、絶望している期間内に共にいてくれる命綱となる本を紹介してくれる実用書。備えて読んでおくも良し。文庫版。
絶望した時は、まずはしっかり悲しみ、絶望の高原を歩いてゆき、立ち直るのはそれからでいい。 慌てて無…
「かもさんおとおり」のマックロスキー。 原書は1952年の古典。石井桃子訳は1978年。 子どもの目から見た自然や家族、歯が生え変わる不安と喜び。 鉛筆で細部まで丁寧に書き込まれた絵が素晴らしい。
絵本にしてはかなり厚く、文章量がかなり多い。 しかし、これを子どもに読み聞かせたら、しっかり聴いて…
「あたらしい生活にふみだす子どもたちをおうえんする絵本。」 ほかのくにからひっこしてきた子のおはなしだけれど、 おうちをひっこしたり、がっこうをかわった子も、いっしょだね。
献辞がいい。 「あなたのビクビクを絵にかいてごらん」とわたしをはげましてくれた母へ そしてじぶん…
「ゴンゴンせいにすんでいます。」 「ロンロンをオンオンのとなりにヨンヨンでつるすと、トントンでかわをくだっていきました。」 出会い、助けあい、分かちあう、スモンスモンの大冒険。 気になったら読んでみて。
ゴンゴン星に棲む不思議ないきもの、スモンスモンの生活と冒険。 一見、マトリョーシカっぼいのです…
東洋の山水画の世界である。 #はじめて出会う世界の絵本
文は少なく、絵に語らせている。 静かな湖の夜明け。 ボートで湖に漕ぎ出した祖父と孫。 …
チェーホフの深みと軽み。イヌはかわいいが、おそろしくロシア的な絵本。
チェーホフ没後100周年記念出版。 絵がいい。 カシタンカ(栗)という名の赤毛のイヌは、ダッ…
サーカスの華やかさと物悲しさと。 特別な才能に恵まれた動物との奇跡のコラボ。 動物の信頼をあっさりと踏みにじる人間の愚かさ。 フランスのサーカスが舞台。
バルトラングという裏方(テントの設営・解体屋)たちの物語。 語り手のグランはまだまともな方だが、そ…
63年「巷談本牧亭」で直木賞受賞、明治生まれの粋人、安藤鶴夫が古き東京を描いた随筆を集めた本。
カバーの絵がたいやき屋の「わかば」で、知ってる者には懐かしい。 1908(明治41)年生まれで…
知らないってことをわかってないから、知ろうという努力もしない。 そのことが問題なんだ。 ジュリアはカイコの研究を通して、人種や民族のアイデンティティーと差別の問題も学んだようです。
7年生のジュリア・ソンは韓国系アメリカ人だけれど、キムチはきらい。 シカゴに住んでいたとき、うち…
アダムとイヴがそれぞれ日記を書いていたとしたら・・・ 夫の目から見た夫婦生活と、妻の目から見た夫婦生活は、全く異次元、別世界。 異性の理解しがたさは、人類最初のカップルから今日まで変わらないようです。
「長い髪をしたこの新しい生きものは、まったく邪魔だ。」に始まり、 カインとアベルが来て10年後には…
字のない絵本「アライバル」の作家の作品。 こちらでは言葉が溢れているけれど、一つ一つの言葉も一つの絵なのだった。 子どもよりも、おとなの中の子どもに訴えかける絵本。
目次は、西オーストラリアのパースから届いた航空便の体裁で、15の切手がそれぞれの話を表している。 …
丹治陽子の表紙画・挿画が11歳の私の日常、親との関係を端的に表現している。 黒いパパ、白いママ、キャラメル色のわたし。 「家族がひとつの和音になるために、調和しようと努力するすべての若者に本書を捧げます」
77のとても短い章からなる。 初めの1から5の章題は数字だけ。これまでの経緯が語られる。 家…
めんどりの家にやってきたオオカミが何をたくらんでいるのか、かしこいみんなならわかるよね? #はじめての海外文学Vol.6 はじめてであう世界の絵本部門 村松真理子さんご推薦
ある冬の夜、どうぶつたちの村に、オオカミがやってきました。 オオカミは、めんどりの家のドアをたたい…
世界的ベストセラー、あの「悪童日記」の作家は、30年前には文盲だった?! 母語で読み、書ける日常は当たり前なのか、幸運なのか。
自分という人間を作っているのは何よりも母語である日本語だ。 国を失い、母語を封じられ、母語での読み…
アガサ・クリスティの「春にして君を離れ」を男女逆転させ、現在の韓国に舞台を移せばこうもなろうか。 シャーリイ・ジャクスン賞(日本では小川洋子や鈴木光司が受賞している心理サスペンスやホラーの賞)受賞作。
地理学の教授であるオギが目覚めると、病院にいた。 交通事故で、同乗していた妻は死に、自分は命を取り…
鎌倉歴史ファンタジーにして正統派児童文学。 お子さんお孫さんにもお勧めできるし、大人が読んでも楽しめる。 子どもの頃に読みたかったような、いや、読んできたような、昔の自分とも出会える本。
造酒兵吾と主悦の兄弟。 単身赴任中の父がいるオーストラリアで夏休みを過ごす予定だったのに、その父の…
経験者でなくてもこれだけ刺さるのだから、実体験のある読者にはいかばかりか。 文系の院生って何をしてるの?食べていけるの? 大人の国フランスの実態がこちらです。
文系博士課程の研究者たちの日常を描くバンド・デシネ。 あまりうまいとは感じない絵で、美化してないだ…
100項目について原文と当時既刊の10人の訳(時に英、仏、独訳)を並べ、解説と試訳。 小説の舞台のモデル「スタールヤ・ルッサ案内」の写真入りコラムも充実。 ロシア語は一字も読めない読者にも参考になる。
何がきっかけだったか、先月あたりから「カラマーゾフ」に嵌って、新潮社文庫の原卓也訳上中下巻と、光文社…
切り裂きジャックと対決するホームズ役は、ドイルがモデルにしたとされる有名なエディンバラ大学の外科学講師ベル博士と、ロンドンのイーストエンドに暮らす男装の女性作家マーガレット・ハークネスのお二人です。
医師コナン・ドイルが、名探偵シャーロック・ホームズの初登場する「緋色の研究」を書き上げたのは1886…
調査報道とはこういうものだ。 強いのは事実、読者に伝えるべきは事実。 緻密な調査、正確な記録、抑制された表現、誠実な対応。 #MeToo運動の広がるきっかけ、ハリウッド有力者の醜態の報道はいかに実現したか。
「起きたことを変えることはわたしにはできない。でもね、(中略)あなたの体験をほかの人を守るために使う…