詩歌川百景（１） (flowers コミックス)【Kindle】
このシリーズもはじまったばかりでコロナ禍です。河鹿沢温泉も観光客の急減で苦境に立たされているかもしれません。
「海街ダイアリー」に続く著者の新シリーズ。語り手は「海街」の主人公・浅野すずの元義弟の飯田和樹。舞…
投票(13）コメント(0)2022-08-05
拾得 さん
本が好き! 1級
書評数：696 件
得票数：8276 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1（現在honto）、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。
書評 20ページ目（696件中 381～400件目）
涙をなくした君に【Kindle】
「子どものころは、それが家族のかたちであり、決して逃れられないものだと思っていた。（中略）気づくと、みんな、ばらばらになっていた。かつて私が家族だと思っていたものは、もはや存在しない。」（208頁）
主人公は、夫・律と小学生の息子・蓮の３人で暮らす「働く女性」の一人・橙子。職業は臨床心理士でクリニ…
投票(14）コメント(0)2022-07-29
オーギュスト・コント―社会学とは何か (1978年)
「『精神の無力』ということを忘れないコントは、人間を理性的存在として純粋孤高の場所に立たせずに、子供、精神異常者、動物との連続関係において考える」（142頁）
社会学や社会思想史の講義では必ず取り上げられる人名である。そのうえで、本書も参考文献として取り上げ…
投票(12）コメント(0)2022-07-22
夏を取り戻す (創元推理文庫)【Kindle】
「おれたちの夏休み、取り戻したくないか」 （中略） 「こんなつまんない夏休みのまま終わって、おまえら本当にいいのかよ。楽しい夏休みを味わいたくないか」（隼人、13頁）
「珈琲店タレーランの事件簿」シリーズで一躍その名を広く知られるようになった作家の、渾身の１冊といっ…
投票(12）コメント(0)2022-07-14
あしあと ちばてつや追想短編集 (ビッグコミックススペシャル)【Kindle】
漫画家が自伝を書くと人物画そのものに歴史が込められるようだ。
「あしたのジョー」の漫画家ちばてつやの23年ぶりの短編集と話題にもなった１冊です。2021年刊行で…
投票(13）コメント(0)2022-07-07
社会を変えるには
「この本に書いてあることに納得できなかったり、あてはまらない事例があったら、お互いに対話して、お互いに変わっていけばいいことです。」（513–514頁、「おわりに」より）
2011年の東日本大震災での福島原発の大事故を契機に、反原発デモが大いに盛り上がった。すでに10年…
投票(8）コメント(0)2022-06-28
シュレディンガーの哲学する猫 シュレ猫とコトハ
マンガ版の舞台となる高校校舎の一部が自由学園明日館をモデルにしている。もしかしたら、コトハとシュレ猫にそこで会えるかもしれない、と思うとちょっと楽しい。
『ケンブリッジの哲学する猫』までもがマンガ化されているのか、と勘違いして手にとった１冊。ほどなく似…
投票(13）コメント(0)2022-06-16
灰の劇場
見返しからトビラまで、おそらくは都内大田区の写真が使われている。書名通りの灰色が強調された町の姿は手にとる者の心をざわつかせる。
本書の「売り文句」は、著者が20年以上前に目にして以来、ずっと気になっていたある記事を元にして小説…
投票(20）コメント(0)2022-06-10
水は海に向かって流れる（２）
「忘れたいことも 全然忘れてない」（59頁）
2020年は本作が完結した記念すべき年である、などと書いていた紹介文を目にしたこともあり、遅ればせ…
投票(10）コメント(0)2022-06-02
社会調査ハンドブック
原理原則を強調しつつ、融通無碍な対応を指南。
著名な研究者による社会調査の概論書。刊行は1987年と30年以上も前であり、さすがにもう古いであろ…
投票(7）コメント(0)2022-05-23
シャーリー 2巻
今のところ全２巻ですが、「メイド漫画を描かせておけばおおむね健康」（189頁）というくらいなのですから、掲載誌がなくても描き続けていかれることでしょう。
シリーズ第１巻は実は作者のデビュー作らしく、本人も「マンガ描き白亜紀」とも呼んでいます。10年経っ…
投票(11）コメント(0)2022-05-11
“景観”を再考する
「総じて言えば、都市論はこれだけ汗牛充棟であるのに、一向に日本の都市景観がよくならない理由には、論者が具体的にわがこととして景観を思い浮かべていないことがあると思います。」（松原隆一郎、77頁）
2004年刊行の本書は、社会問題を扱ったものとしては「古いもの」として扱われ、学術教養書としては流…
投票(10）コメント(0)2022-05-02
スタバではグランデを買え!―価格と生活の経済学
タイトルだけを見たら、たいていの人の反応は「余計なお世話である。」（西村喜良、文庫版解説、280頁）では？
本書の存在は以前から知ってはいたものの、初見の感想は「文庫版解説」の一声と同じである。そもそも最近…
投票(10）コメント(0)2022-04-28
探偵少女アリサの事件簿 さらば南武線 (幻冬舎単行本)【Kindle】
「《可愛い子供を連れている大人は、とりあえず善人に見える》という謎の理論が、ここでも実証されたわけだ。」（258頁）
実は先日、初めて南武線に乗った。今までなかなかご縁がなかったのだけれど、真新しい駅舎と車体で「新線…
投票(12）コメント(0)2022-04-21
広田弘毅―「悲劇の宰相」の実像
「しかし、善意がいつも好結果につながるわけではない。」（92頁）
広田弘毅――東京裁判でA級戦犯として問われ、文官として唯一絞首刑となった人物として有名となってしま…
投票(11）コメント(0)2022-04-15
いちげんさん
「その理由が分からないまま、京都の街に何かを激しく求めていた」（45頁）
本書を原作とした映画を見てからほぼ20年が経ってしまいました。そのあとに原作を手にとったのですが、…
投票(13）コメント(0)2022-04-07
海の祭礼
2022年１月放送のNHKのドラマ「わげもの」を見ていて驚いた。江戸末期の長崎を舞台に、座敷牢の格子ごしに英語を教え学ぶシーンが再現されていたのである。
座敷牢から英語を教えるのは米国人ラナルド・マクドナルド、学ぶのは小池徹平さん演じる森山栄之助をはじ…
投票(10）コメント(0)2022-03-30
たかが殺人じゃないか (昭和24年の推理小説)
「書くんだよ・・・きみは遠慮せずに書きなさい」（344頁）
辻真先、著名な作家として名前は知っているけれど、さほど多くの作品は読んではこなかったです。本書が刊…
投票(14）コメント(2)2022-03-23
歴史は景観から読み解ける: はじめての歴史地理学
「「歴史」と「地理」は、二者択一のものではなく、密接に関わる運命共同体、いわば一蓮托生の間柄だということに気がついた」（本書４頁、「はじめに」）
本書の内容はタイトルに尽きる。より正確にいえば、現在の景観を種々の歴史史料をたどってさかのぼって読…
投票(12）コメント(0)2022-03-18
日露戦争史 - 20世紀最初の大国間戦争
「日本とロシアは異なる姿勢を保ったまま対決の方向に向かった。双方は相手方の意向をつかめないままに動いていたのである。」（本書、85頁）
日清・日露戦争を学んでいるとき、教科書の地図を見ていてもやもやがつのったことがある。 まず、両…
投票(9）コメント(0)2022-03-15