ジェイン・オースティン―「世界一平凡な大作家」の肖像





「しかし、もしジェイン・オースティンに賛成出来ないと云われたならば、私は心から狼狽して、それこそ何週間も思い悩むことであろう。」(デイヴィッド・セシル)
この本の存在を知ったのが先か、映画『エマ』を見たのが先だったか。今となっては記憶は定かではないが、…

本が好き! 1級
書評数:689 件
得票数:8203 票
学生時代は書評誌に関わってました。今世紀に入り、当初はBK1(現在honto)、その後、TRCブックポータルでレビューを掲載してました。同サイト閉鎖から、こちらに投稿するようになりました。
ニックネームは書評用のものでずっと使ってます。
サイトの高・多機能ぶりに対応できておらず、書き・読み程度ですが、私の文章がきっかけとなって、本そのものを手にとってもらえれば、うれしいという気持ちは変わりません。 特定分野に偏らないよう、できるだけ多様な書を少しずつでも紹介していければと考えています。
プロフィール画像は大昔にバイト先で書いてもらったものです。





「しかし、もしジェイン・オースティンに賛成出来ないと云われたならば、私は心から狼狽して、それこそ何週間も思い悩むことであろう。」(デイヴィッド・セシル)
この本の存在を知ったのが先か、映画『エマ』を見たのが先だったか。今となっては記憶は定かではないが、…





『いとみち』が完結してしまってさびしい読者に朗報です。「海! 太陽! ビーチ! それから金目のお刺身おいしいよ!」(9頁)の月ヶ浦があります。
『いとみち』(全3巻) の著者で、表紙が物語のオールスターキャストの平和そうなイラストであれば、…





積み重ねられてきた科学実験集に思わず感動してしまう
文字通り「子どもだまし」のような直截的なタイトルなのだけれども、講談社ブルーバックスの歴代売上げ1…




「パリを横目でにらむことを早くも身につけた。」(71ページ)
そういえば、文学史かなにかの記述で名前は見たことがある。そんな程度の予備知識で本書を手にとってみる…




「できれば美しくありたいし、絶望よりは希望を感じて欲しいです。」(巻末の「東京幻想50問50答」より)
一見してアニメの背景を思わせるような画集ですが、それもそのはず。作家は、アニメ背景制作会社での勤務…




「資本主義的蓄積の基本原則をもとに考えると、これらの変化はまったく新しいポスト資本主義社会あるいはポスト工業社会が現れる兆しではなく、表面上の変化のように思われる」(冒頭の「論点」、11頁)
本書の訳が刊行された時のことはよくおぼえている。余りの厚さに恐れをなして、手にとることができなかっ…




「公園で迷子になると、イケメンの大学生が児童施設に送ってくれるところから話が始まるんだ。」(奈緒、160頁)…『雪の断章』のはじまりを今風に表現すると、こんな感じだそうです。
「一件落着」と完結したかと思っていたら、なんと「扉子」という2人の子どもをまじえて新シリーズがはじ…




「自然は人間にとって好都合な機能を備えている」というおとぎ話(216頁)
ここ数年、「生態系サービス」という言葉を聞くようになった。最初は「?」な表現であったが、森と人との…





「長年、彼はひとりで食事をしてきたが、今なお孤独に慣れていなかった。」(「アーネストおじさん」88頁)
この小説の存在を知ったのは高校生の時だった。内容以上に、その詩的なタイトルに魅せられた。求道者のよ…





「彼は、去年もとうとうあらわれなかった」(28頁)
1999年刊行、小説家の第七エッセイ集。70歳を前にした刊行で、だいたい60代に書かれたものが収め…





「創造は読者のなかでしか完成しない(サルトル)」(本書冒頭に掲げられた文章より)
本書の著者を知ったほうが早かったか、同姓同名のタレントを知ったほうが早かったか。世間的に広く知られ…





「雛さん! 大会で優勝する為に修練を積んで参りましたわ」(水野さん、7巻140頁)
本格弓道漫画をついに読了。最終巻である8巻のそでには、「『駅から5本』の一話分を含めた、予定通りの…





「あなたは的にとらわれてはいけません。これまでのように射るのです。」(34頁)
岩波文庫に 『日本の弓術』 という書籍がある。ドイツの哲学者が、日本に長期滞在した折りに弓道を学ん…




「弓道、やってみます、と堂々と言えたら、どんなにいいだろう。」(14頁)・・・凛として引くにはまだ遠く
ここ数年くらいでしょうか、「弓」を舞台とするフィクションが増えてきたようです。アニメの「ツルネ」も…





リアル「ジョーカー・ゲーム」の世界へようこそ
柳広司『ジョーカー・ゲーム』シリーズには、たいへん楽しませてもらった。日中戦争下の日本で新設された…




ヨコのものをタテにする。
ネットでの連載を紙のコミックとしたものだそうです。だいぶ人気が出たのでしょう、2017年の第1巻は…





ウィズコロナ時代の若竹七海
本書の刊行は2021年8月、首都圏を中心にコロナ感染者数が第五波のピークを迎えた頃だったではないで…





「えびフライ、と呟いてみた。」から生まれる短編小説たち
没後十年、著者の新刊書を手にとることはないと思っていたが、このようなアンソロジーのかたちで「新刊」…





「この書物において、わたくしは以上の政治家たちの性格に焦点を置きつつ、その当面した政治状況における彼らの行動・役割・運命を跡づけたいと考えた。」(「まえがき」より)
私の手元にあるのは2001年刊行の岩波現代文庫版である。大元は1960年に文芸春秋社で刊行され、1…




「痛いだろうねえ」 「なにが」 「殻を割るのってさ」 (どこで出てくるかは本書を読んでのお楽しみ)
1980年、中高一貫の名門私立女子高校・新国女子学院の校内で起きた殺人事件をめぐる連作ミステリーで…