狭間の者たちへ



うだつの上がらない中年男が陥った疑似痴漢行為(狭間の者たちへ)。患者と看護士という権力関係がもたらした威圧行為の結末は(尾を喰う蛇)の2作品。
新潮新人賞受賞後第3作目。「狭間の者たちへ」、「尾を喰う蛇」2作の小説集。 <狭間の者たちへ>…

本が好き! 1級
書評数:528 件
得票数:7671 票
10年前に毎日が日曜日状況になってブログを開設しました。
内容は読書感想文、好きで描く水彩画作品の紹介などです。
読む本は雑食。推理もの、時代物、ノンフィクション、ハー
ドボイルドなど大好きです。



うだつの上がらない中年男が陥った疑似痴漢行為(狭間の者たちへ)。患者と看護士という権力関係がもたらした威圧行為の結末は(尾を喰う蛇)の2作品。
新潮新人賞受賞後第3作目。「狭間の者たちへ」、「尾を喰う蛇」2作の小説集。 <狭間の者たちへ>…




台湾中部台中近くの永靖の出身である作者が、故郷の地での思い出を背景に紡いだ、陳一家9人の壮絶なエピソード。
作者はこの永靖の地を「亡霊の地」という(原作は『鬼地方』)。鬼の地である。 鬼には幽霊や亡霊…



子持ちでバツイチの大友鉄。真犯人を主張する女性弁護士に持ち前の柔軟対応路線で対処し事件解明に成功する。
子持ちでバツイチの刑事、巡査部長大友鉄33歳。バツイチとは言うが10年前に 妻奈緒を交通事故で亡…




軍国主義に傾斜する政府に対し「絶対に欧州の争いに巻き込まれてはならない」と直言した偉大な外交官重光葵の外交回想録。
この本は巻末に「『重光葵 外交回想録』<1978年8月毎日新聞社刊を 底本とし、改題しました。」…




太平洋戦争開戦前後を視野に旧日本海軍の一作戦を想定、北極海を舞台にした冒険 サスペンス。
日本単独でアメリカと戦っても勝利はおぼつかない。何としてもドイツを引きずり 込む必要がある。昭和…




ついにビリーと犯人が直接対決の時を迎える。難局を乗り切ったビリーはバーバラ介護の道を選ぶ。
下巻は事がスピーディに進み、息つかせない。 ビリーは友人で警官の ラリーにメモを見せて対応を…




バーテンダーのビリーに殺しの選択を迫るメモが次々と届く。誰が何を企んでいるのか。姿の見えない犯人に追い立てられるビリーの焦燥。まさにノンストップ・サスペンス。
モダンホラーの旗手とされるディーン・クンツの傑作ミステリー。 今はさっぱり書いていない元作家ビリ…




シカゴの警官をリタイアし、アイルランドの田舎でのんびりと暮らす筈だったカル。「失踪した兄を探して」少年の必死の願いに応えようと捜索に奔走する。
題名の「捜索者」の通り、プロットの本筋はカルというシカゴの元警官が定年後移住先 で知り合ったトレ…




連続殺人事件の容疑者は1件は自分ではないと否認する。科捜研のDNA鑑定結果を疑う氏家京太郎は再鑑定に挑む。
今を時めく中山七里の「鑑定人氏家京太郎」シリーズ第1弾。 鑑定をテーマにしたサスペンスは珍しい…




医師としての倫理観と殺人者への復讐とのジレンマに揺らぐ脳外科医師尾木敦也。出色の医療ミステリー。
東崎病院の脳外科医師尾木敦也は休職中なのに病院長に呼び出され、脳動脈瘤 の外科手術を行った。患者…



シングルファーザー刑事の大友テツ。不思議と誰しも心を開かれてしまう。営利誘拐事件で暴かれた家族の断裂。
著者おなじみの警察小説である。 主人公は警視庁刑事部刑事総務課の警部補大友鉄。元捜査一課の刑事だ…

戦時下の逆境をものともせず、大人の論理を巧みに使いながら生き延びていく双子の快(怪)男児。 驚愕の最終章が圧巻。
美形で頭もいい双子の男児。戦乱の大都市(多分ブタペスト)から祖母の住む田舎に 逃れてきた。成長の…




継父に虐待を受けつつ育ったキナコがやはり虐待で口がきけなくなったイトシと出会い 新しい世界を見出していく。
これはDVとLGBTQという現代日本の世相の断片が微妙に交錯し、失望と救いが見事に 昇華する作品で…




途中で真犯人らしい容疑者は分かるのだが…。完黙状態で警察も裏が取れないもどかしさに終始。
警察小説では定評のある奥田英朗の大作である。 警察組織と捜査員の刑事らが生き生きと描かれて…




無実の人を犯人に仕立てる刑事、それを鵜呑みにする検事、判事。絶望の人生は彼らに落とし前をつけさせることしかないか。
これは冤罪事件被告人の復讐連鎖劇の一部始終である。 刑事事件が裁かれる時。 …




江戸幕府御先手弓組幣原喬十郎と盗人集団の一人千吉との運命的出合い。それが幕閣と闇集団との癒着を暴くきっかけになるとは。
江戸幕府御先手弓組幣原喬十郎は親戚の法事の帰路、湯島切通町で男女二 体の死体に出くわした。傍らに…




ロンとデニスの再審開始。晴れて自由の身になったのだが…。
<承前> 公判作戦上デニス・フリッツを先行させた検察陣は嘘の証言で固め、陪審を して有罪、…




小さな町の野球少年のヒーローが長じて強姦殺人の罪に問われた。無実の男を犯人に仕立てる警察の手口は。
これまでリーガルサスペンスの巨人ジョン・グリシャムの数多くの作品は 大方読んだが、このような…




この作家独特の表現が横溢した世界。
芥川賞作家川上弘美さんの作品を読んだのは『センセイの鞄』が初めてである。 本書はまず題名が奇抜…





バイタリティーあふれるシングルマザー家族とインサイダー取引の容疑にある裕福なITオタクが繰り広げるはちゃめちゃ車旅行の行き着く先は…。
本書で次の展開が気になってハラハラする場面がある。それは主人公のジェスの娘 タンジーがスコットラン…