ガラスの独房



無法地帯であるアメリカ刑務所で作り上げられたカーターの冷たい人格が不気味さを際立たせている
主人公のフィリップ・カーターは普通、平凡な建築技師だった。ところが教育委員会から発注された学校建築…

本が好き! 1級
書評数:6246 件
得票数:92031 票
昔から活字中毒症。字さえあれば辞書でも見飽きないです。
年金暮らしになりましたので、毎日読書三昧です。一日2冊までを限度に読んでいます。
お金がないので、文庫、それも中古と情けない状態ですが、書評を掲載させて頂きます。よろしくお願いします。



無法地帯であるアメリカ刑務所で作り上げられたカーターの冷たい人格が不気味さを際立たせている
主人公のフィリップ・カーターは普通、平凡な建築技師だった。ところが教育委員会から発注された学校建築…



幼いころ、漫画で流行った、継子物語、孤児院舞台の物語を連想させる
処女作「雪の断章」から始まった、孤児シリーズの4作目。 「雪の断章」で自殺した耀子や「花嫁人形」…




夫が亡くなり、夫の実家とは縁切りしたい
主人公の夏葉子は、長崎でミニコミ誌出版社でアルバイトをしている。最近は取材をして記事も載せている。…



原節子は女性を演じるより人間を演じたかった
原節子は、14歳で映画デビュー。昭和12年、日独防共協定締結を記念して作られた日独合作映画「新しき…



記憶は間違ってインプットされても、それは現実。その現実が真実とぶつかり人生が揺らぎだす
世界的著名な作家であった兄が突然変死する。その真相をつきつめようと弟の古賀純一が活動を開始する。 …




同じ年の高校生たちは、楽しい高校生活を謳歌している。中卒の主人公貫多は孤独で切ない
父親が猥褻事件で逮捕。そこで、人生が暗転。家は頻繁の引っ越し。学校ではいじめにあう。中学校では、卒…




中国から輸入した山菜の話に唖然
異文化、言葉の違いの不思議さ、その奥をついたエッセイ集。 1996年出版の作品。今ではこん…



最近は差別、ヘイトと言葉狩りが流行り、それが過剰で、表現が窮屈になる
2000年代初頭に書かれたエッセイを中心に収録した作品。 いくつかは米原さんの創作もあるだろうが…



催眠術を使った密室殺人トリック。それが可能であることが解せない
「崖の館」に続く、館シリーズ第2弾。前作の続編になっているため、前作を読んでいないと理解できない部…



離婚直前、夫が東日本大震災に遭遇し、行方不明になる。再婚したい相手もできた。しかし、夫は死んだかどうかわからない。
東日本大震災、多くの死者、行方不明者を生んだ。生き残った遺族、何年たっても行方不明者でなく遺体を引…



外国語を習得する。思考をすて概念でとらえるようにせねばならない
著者のロンブ・カトーはハンガリー出身の世界的同時通訳者、通常の通訳、翻訳家としても著名な人である。…



殺したはずと思っても相手が生きて目の前に現れる、それが恐怖に変わる。ハイスミスの心理描写が冴えわたる
ヨーロッパで活躍している画商レイは、妻マギーを新婚旅行中、マヨルカ島で亡くした。厳しい捜査はあった…




飛行機に乗ったら、機内誌で、こんなエッセイに出会えたらなというエッセイ集
ANAグループの機内誌「翼の王国」に連載した、主に旅を中心にしたエッセイ集の第3弾。 どのエッ…



米原さん得意の下ネタ小咄が炸裂。
古今東西の小咄を分類紹介して、その面白さを論理的に解明した作品。 理論もそれなりに、面白いが、や…



アダムとイブ。大事なところを隠しているいちじくの葉は、どうして落ちないの?
世界の人々の下着はどんな変遷を経て今の姿になったのか。パンツとふんどしのルーツはどこにあるのか。大…



ダメな人生を歩んだ人たちにとって、人殺しは日常的風景になってしまう
日本のジェームス・ディーンと呼ばれていた赤木圭一郎が、ゴーカートの運転を誤って壁に激突し亡くなった…



自分が楽しいことは他人も楽しいはず。そんなことないと思うけど
会社生活を始めたころ、忘年会がいやでたまらなかった。 各課が出し物を競い、それを部門長だった常務…



ちょっと人生をジャンプしたくて貸本屋兼カフェをはじめる
私が会社員のとき、席を並べて仕事をしていた後輩が、優秀だったのに、突然会社をやめた。彼はソフトボー…



生殖機能を利用することに快感を覚えるのは人間だけ
米原万里晩年の講演会を収録した本。 どうして、生物には男と女がいるのか。もし互いに選ぶ必要…



作者の思いが全面にですぎて、ミステリー色が薄まってしまった
佐々木丸美は1949年生まれで、1975年に「雪の断章」でデビューした。典型的な団塊世代のミステリ…