NHKの「連続テレビ小説」(通称 朝ドラ)は、時に著名な人物をモデルとした作品をドラマ化することがある。
最近でいえば、朝ドラ112作めの「あんぱん」は漫画家やなせたかしさん夫婦がモデルだし、
次の「ばけばけ」では作家の小泉八雲夫妻がモデルとなっていた。
有名な人であればなんとなくイメージがしやすいが、
第110作めの「虎に翼」のように日本で女性初の弁護士となった三淵嘉子さんがモデルだと、
ドラマ化されて初めてその人物像にふれるケースもある。
4月から始まった第114作めの「風、薫る」のモデルは、
「明治のナイチンゲール」と称されることもある大関和(おおぜきちか)と
ともに職業看護師の道を歩んだ鈴木雅(すずきまさ)である。
どこまで著名なのかわからないが、朝ドラを通じて広く知られるようになるのは間違いない。
モデルがある朝ドラの場合、放送が始まると関連本が書店に並ぶことになる。
このムック本『大関和と鈴木雅の人生』も関連本で、実際の彼女たちの足跡がよくわかるように編集されている。
読むと、ドラマと事実との違いがはっきりする。
大関和が夫と離縁する理由であったり子供の人数であったりが違うのは仕方ないとしても、
鈴木雅がモデルとなるヒロインが孤児という設定はあまりに事実と違い過ぎる。
雅には夫も息子もいて、夫が亡くなったことがきっかけで看護婦学校に入学したという。
モデルがいるドラマ化の場合、事実との距離感が大切だろう。
あまりにも離れすぎるのもどうかと思う。
いずれにしても朝ドラは始まったばかり。
これからヒロインたちがどう活躍していくか、楽しみでもある。
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