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この本を読むきっかけはコミック「本なら売るほど」

  • レビュアー: さん
  • 本が好き!1級
  • ことばの海へ雲にのって―大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平 (PHPこころのノンフィクション (16))
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ことばの海へ雲にのって―大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平 (PHPこころのノンフィクション (16))
街の小さな古本屋を舞台にしたコミック『本なら売るほど』(児島青)の2巻めに収められている
 第9話「本の海の漂流者」は古本屋にとって「売れない本」として警戒すべき辞書を扱った話。
 話の冒頭、全13巻にもなる大修館書店発行の『大漢和辞典』がどのようにして誕生したかが、手際よく描かれている。
 この挿話の参考資料になっているのが、
 『ことばの海へ雲にのって - 大漢和辞典をつくった諸橋轍次と鈴木一平』(作 岡本文良)。

大修館書店発行の『大漢和辞典』は通称「諸橋大漢和」と呼ばれている。
 というのも、この辞典を編纂したのが著名な漢字学者、諸橋轍次という人物だから。
 書名にでてくるもう一人の人物鈴木一平は、「良い漢和辞典を作りたい」と諸橋と共に
 出版界での偉業をなすことになる大修館書店の創業者である。
 この作品は小学生上級以上向けのノンフィクションシリーズの一冊になっていて、
 なんといっても読みやすいのがいい。
 だからといって、書かれている内容が子供向けの幼いものではなく、
 大人の読者にも十分に満足させてくれるものになっている。

 辞書作りの困難さは三浦しをんさんの『舟を編む』などいくつかの作品で知ることができるが、
 「諸橋大漢和」の場合もそうで、諸橋さんの知識と根気、鈴木さんの熱意がなければきっと出来上がらなかっただろう。
 コミック『本なら売るほど』で登場した「諸橋大漢和」はラスト、漢字大好きな青年に買い取られていく。
 諸橋さんも鈴木さんも、天国で微笑んでいることだろう。
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  • 掲載日:2026/04/14
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