救急医・武田の元に搬送されてきた、一体の溺死体。その身元不明の遺体「キュウキュウ十二」は、なんと武田と瓜二つであった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、
武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。
第34回鮎川哲也賞受賞作。2025年本屋大賞ノミネート。 かつデヴュー作というのは驚きであるし、かつ著者の本業は医者というのは驚きだ。
達者な文章。 冒頭の平面図や仲程の登場人物の動きを一覧表にした部分。
古き良き古典的な本格推理小説だと思うし、そういう意味では、これほど鮎川哲也賞に向いたミステリーは無いかも知れない。
近年問題となる出産問題をテーマに、それをベースとした人工授精問題や、それをベースにした社会論にもキチンと向き合っている点も好感が持てる。
またラストの展開も、東野圭吾風の香りもして個人的には好きな纏め方だ。
まぁ、全体的には非常に良く出来ている社会は小説だし、ミステリーとしても正統派本格という事で、次に出た2作目『白魔の檻』を読んでみたい。
この書評へのコメント