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ホセさん
ホセ
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まる子がそのまま大人になったんだな~、とよく分かる、旅にまつわるエッセイ。
687 さくらももこ 「たびたび」

まる子がそのまま大人になったんだな~、とよく分かる、旅にまつわるエッセイ。
さくらももこは、昭和40年生まれ。
同級生だったんだ、、、

これも新潮社のPR雑誌「波」の新刊にあり、「なぜさくらももこが?」と読むことにした。

新潮社からのムック雑誌として、2000~2002年に第5号まで出版された「富士山」に書かれた、旅のエッセイ集。
「富士山」が異色なのは、さくらももこ意向で「ひとり雑誌」である事。
記事の企画、取材、執筆、漫画、イラスト等のほとんどを手がけて作成されたと言う。

持ち帰るお土産の量が、常人の十倍以上だ。
随分沢山買ってきたのに、人に差し上げていたら4ヶ月で無くなったと、また中国茶を買いに行く。
(10㎏も茶を買って、背負ってホテルまで歩き帰っている)
お付き合いもあるだろうし、なかなか有名な人は大変だ。

現地で入る店は、事前に詳しく調べずにふらっと入っている。
福岡では、たまたま目についた鮨屋から焼鳥(皮)に流れ成功して、
翌晩も同じく鮨屋、焼鳥を繰り返している(昼に博多ラーメンに刮目してる)。

美味しいものを例える文章や、食べる前のワクワク感は、アニメで9歳のまる子そのものだ。

来た来た来た。
この味だよ香港は!
「楽しみだね」と何回他の人に言ったことか

秋芳洞を訪れた時に、百枚皿(添付写真)を見て、
「あっ、これだよ。
 私の中のイメージでは、秋芳洞といえばコレだったんだよ」

・・・まる子丸出しである。

人の良いところを感じ取り、大いに感心して、盛大に褒めて、
人に優しくするところも、まるちゃんそっくりだった。

少し驚いたのは、「止めること」「変えること」に躊躇がないところ。
新潟にある「ロシア村」と「トルコ村」を見に行く企画では、
最初のロシア村が今一つであり、ならばとトルコ村は止めようと直ぐに決めて、
ロシア村でのマトリョーシカ作りに全員で夕方まで没頭した。

朝井リョウの巻末特別寄稿「非日常も日常」も、なかなか鋭かった。
オランダまでディック・ブルーナ(ミッフィーの原作者)に会いに行き、
富良野まで倉本聰に会いに行き、ビッグネームに接する時に、
さくらももこの対応に忖度めいたものが一切無い事に感心している。
逆に朝井リョウは、初めての人には「迷惑をかけないように」と、
とにかく遠慮してしまうのだが、
「迷惑を全くかけられない日常なんて、何てつまらないものだろうか」
と逆説を張ってきている。

そこで気がついたことがある。
さくらももこも、まる子も、そうした「対人」だけでなく、もっと大きな、
「自分の世界観」というか、「自分の世界の箱」とでもいうものが、
しごくまっとうに、
とてもはっきりと、
たいへんコンパクトに、
確立されているのではなかろうかと。

だから、ネガティブな判断も早く、
相手がどんなに有名で偉かろうが、普通の人だろうが、
接する姿勢は変わらないのではないか。
(子どもが、大抵そうだよね)

ブログのために調べたら、
さくらももこは1965年5月8日生まれで、私と同級生だった。
2018年8月、乳がんのため逝去、享年53歳。

このエッセイでも、高い頻度と長い時間、エステやマッサージを旅先で受けていた。
打合せなどでも、寝てしまった、起きたらもう昼だったという記載も、、、
さぞや激務なのだろう、と読んでいる時には思っていたのだが、、、

なお、「富士山」に収録されたエッセイでは、本著に先行して、
2002年「さくらえび」、と2003年「またたび」が刊行されている。
また、まだ未収録エッセイがあるようで、
本著の続編があるような記載も見つけてしまったよ。

(2026/4/21)
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ホセ
ホセ さん本が好き!1級(書評数:681 件)

語りかける書評ブログ「人生は短く、読むべき本は多い」からの転記になります。
殆どが小説で、児童書、マンガ、新書が少々です。
評点やジャンルはつけないこととします。

ブログは「今はなかなか会う機会がとれない、本読みの友人たちへ語る」調子を心がけています。
従い、私の記憶や思い出が入り込み、エッセイ調にもなっています。

主要六紙の書評や好きな作家へのインタビュー、注目している文学賞の受賞や出版各社PR誌の書きっぷりなどから、自分なりの法則を作って、新しい作家を積極的に選んでいます(好きな作家へのインタビュー、から広げる手法は確度がとても高く、お勧めします)。

また、著作で前向きに感じられるところを、取り上げていくように心がけています。
「推し」の度合いは、幾つか本文を読んで頂ければわかるように、仕組んでいる積りです。

PS 1965年生まれ。働いています。

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