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献本書評
いなざわあり
レビュアー:
小説家から観た筋肉少女帯を「作品」として読める幸せ。筋少ファンも、小説家ファンも、知ってる方も知らない方も、どうぞお楽しみください。
ロックバンド・筋肉少女帯(以下、筋少)の楽曲をモチーフにした小説集。
いわゆる「トリビュートアルバム」の小説集である。
藤田和日郎さんの表紙絵も「あのコは夏フェス焼け」のトリビュートという事で歌詞が載っている。

掲載されている歌詞を読めば分かるのだけど、筋少の歌詞が既に小説、詩ではなくきちんと物語になっている。
最初は今更筋少の歌詞を小説にするのも…と思っていた。そんな自分が悪かった。間違っていた。

歌詞の世界から、四方八方あっちこっちに広がっている。
歌自体も小説に活かされている。
曲のセレクションが「なんで?」なんだけど、そこから生まれた小説が「なんと!」である。
参加されている作家の皆さんの観ている筋少、心に在る筋少ってこんな感じだったのか。
「中2病の神ドロシー」の「どうしたら、自分の人生が生きられるんだろう」と足掻く孤独な少女が大好きなバンドが存在した事を追い求めるぎゅうぎゅうした気持ちは辻村深月さんならではの描かれ方だし、「十光年先のボクへ」のワンダーさとあのラスト(めっちゃ好き)は柴田勝家さん以外の何者にも描けないだろう。
空木春宵さんはどれだけ筋少大好きなの!物語自体も雰囲気も作中の要素の一つ一つまで、どれもこれもすべて筋少!なのに「ディオネア・フューチャー」という小説はしっかりと空木さんの作品の空気をまとっている。
滝本竜彦さんの「日光行わたらせ渓谷鐵道」は「レティクル座行超特急」がどこでどうなったら日光行になるの!という驚きしかなかった。
(個人的に「レティクル座行超特急」という曲が好きなので尚更びっくりである。)
和嶋慎治さんの「福耳の子供」というセレクションは長年の同志愛もあるのだろうな、と思った。

そして筋少の大槻ケンヂさんが半生、筋肉少女帯というバンドの歩みを振り返ると見せかけて、最後に「筋肉少女帯小説化計画」をまとめ上げてしまわれる、という。
これがまた見事で。

「筋肉少女帯知らないよ~」という方が読んでも大丈夫である。短編小説アンソロジーとして十分面白い。
筋少という縛り以外はフリーダムなので「とにかく何か面白い小説を読みたい」という気持ちがあればOKである。
遡って筋少を聴いてみる、参加されている作家の作品を読んでみる切っ掛けになれば良いなと思う。
(私自身、滝本さん、和嶋さんはお初にお目に掛かるので、他の作品も読んでみようと考えている。)
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いなざわあり
いなざわあり さん本が好き!1級(書評数:54 件)

面白い本についてぼちぼちと書いていきます。主にブログからの抜粋。

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