響流さん
レビュアー:
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貧困,教育,環境,エネルギー,人口問題・・・あなたの“常識”は20年前で止まっている!?10の思い込みを乗り越え,データを基に世界を正しく見る習慣
たとえば,カーナビは正しい地図情報をもとにつくられていて当たり前だ.ナビの情報が間違っていたら目的地にたどり着けるはずがない.同じように,間違った知識を持った政治家や政策立案者が世界の問題を解決できるはずがない.世界を逆さまに捉えている経営者に,正しい経営判断ができるはずがない.世界のことを何も知らない人たちが,世界のどの問題を心配すべきかに気づけるはずがない.
この本で紹介されている「ファクトネスフル」という習慣を毎日の生活に取り入れてほしい.訓練を積めば,ドラマチックすぎる世界のっ見方をしなくなり,事実に基づく世界の見方ができるようになるはずで,多くの勉強をしなくとも,世界を正しく見ることができるようになる.判断力は上がり,何を恐れ,何に希望を持つべきかを見極められるようになる.取り越し苦労を卒業する.
乳幼児死亡率からは,子供の健康状態だけでなく,社会全体の健康状態もわかる
減り続けている16の悪いこと.飛行機事故の死者数・児童労働・災害による死者数・核兵器・天然痘・大気汚染・オゾン層の破壊・飢餓・HIV感染・乳幼児死亡率・戦争や紛争の被害者・合法的な奴隷制度など.
増え続けている16の良いこと,自然保護・女性参政権・農作物の収穫・科学の発見・識字率・オリンピック・女子教育・電気の利用・安全な飲料水・予防接種・小児がんの生存率・絶滅危惧種の保全・など
「世界の人口はひたすら増え続ける」という,とんでもない勘違い
人口が増え続けるスピードはすでに緩やかになりつつあり,これから数十年間は減速する見込み.世紀末を迎えるころにはグラフが横ばいになり,人口は100億人から120億人で安定すると見られている.長期にわたって人口が横ばいになるということは「子供から大人になる人の数」が,常に一定になるということ.
子供の生存率が伸びる理由の多くは,病院の外にある.地域の看護師や助産師,そして教育を受けた親たちが講じた,病気の予防策が効果を上げている.特に,母親の影響は大きい.
自分の分類の仕方は間違っているかもしれないと疑ってみる.よく使っている分類思考を,常に見直し続けることが大事.見直しに役立つ方法は,①同じ集団の中の違いと,違う集団の間の共通点を探す.②過半数に気を付ける.③例外に気づく.④自分が普通だと決めつけない.⑤一つのグループの例をほかのグループに当てはめていないか.これらを振り返る.
過半数とは,半分より多いということでしかない.それが51%なのか,99%なのか,その間のどこなのかを確かめるべきである.
自分が肩入れしている考え方の弱みをいつも探したほうがいい.これは,自分の専門分野でも当てはまる.自分の意見に合わない新しい情報や,専門以外の情報を進んで仕入よう.
平等というシンプルで美しい概念もまた,格差があらゆる元凶だという,単純すぎる考え方につながる.すると,どんな場合にも格差は良くないし,資源の再分配によって何でも解決できると思い込んでしまう.
本書は、世界を誤って認識してしまう人間の思考の癖を、統計と事実を用いて正し、「ファクトネスフル」な思考習慣によって恐れや偏見を乗り越える重要性を説いた好奇心の宝庫のような一冊。悲観的な報道や思い込みに流されていた自分の認識を見直す必要性に気づかされた。事実に基づいて世界を見る姿勢は、冷静な判断と希望を持つ力につながると思う。
なぜ世界についての錯覚が起きるのかに関心を持ってほしい.どうして私たちの脳は,こんなにも世界を見間違えてしまうのだろうか.何か一つ世界に残せるとしたら,人々の考えを変え,根拠のない恐怖を退治し,誰もがより生産的なことに情熱を傾けられるようにしたい.
この本で紹介されている「ファクトネスフル」という習慣を毎日の生活に取り入れてほしい.訓練を積めば,ドラマチックすぎる世界のっ見方をしなくなり,事実に基づく世界の見方ができるようになるはずで,多くの勉強をしなくとも,世界を正しく見ることができるようになる.判断力は上がり,何を恐れ,何に希望を持つべきかを見極められるようになる.取り越し苦労を卒業する.
乳幼児死亡率からは,子供の健康状態だけでなく,社会全体の健康状態もわかる
分断を誇張し,分断本能を刺激するような話を見分けるには3つの注意すべきポイントがある.誰かとの会話だけでなく,自分自身との対話でも気を付けてほしい.その3つのポイントを私は「平均の比較」「極端な数字の比較」「上からの景色」と呼んでいる.
減り続けている16の悪いこと.飛行機事故の死者数・児童労働・災害による死者数・核兵器・天然痘・大気汚染・オゾン層の破壊・飢餓・HIV感染・乳幼児死亡率・戦争や紛争の被害者・合法的な奴隷制度など.
増え続けている16の良いこと,自然保護・女性参政権・農作物の収穫・科学の発見・識字率・オリンピック・女子教育・電気の利用・安全な飲料水・予防接種・小児がんの生存率・絶滅危惧種の保全・など
「世界の人口はひたすら増え続ける」という,とんでもない勘違い
持続可能性,すなわち人間の活動が将来にわたって持続できるかどうかは,人口に大きく左右される.地球が支えられる人の数には限りがある.国連の予測によれば,2100年の子供人口は20億人で,現在と変わらない.グラフも,これまでのような右肩上がりの直線にはならない.
人口が増え続けるスピードはすでに緩やかになりつつあり,これから数十年間は減速する見込み.世紀末を迎えるころにはグラフが横ばいになり,人口は100億人から120億人で安定すると見られている.長期にわたって人口が横ばいになるということは「子供から大人になる人の数」が,常に一定になるということ.
何かの現象をきちんと理解するには,グラフの形をきちんと知ろう.そして,グラフで示されていない部分がどうなっているかを,不用意に憶測しないこと.さもなくば,間違った結論や手段にたどり着いてしまう.「人口がひたすら増え続けている」と考える人たちは,この罠にはまっている.
子供の生存率が伸びる理由の多くは,病院の外にある.地域の看護師や助産師,そして教育を受けた親たちが講じた,病気の予防策が効果を上げている.特に,母親の影響は大きい.
世界中で,子供の生存率が伸びている原因を調べてみると,「母親が読み書きできる」という要因が,上昇率の約半分に貢献している.
何かの重大な勘違いをしないために最も大切なのは,ひとつの数字だけに注目しないことだ.数字を一人ぼっちにするのは絶対にダメ.一つの数字が,これ単体で意味を持つことなどないのだから.必ず,それと比較できるような数字を探そう.特に大きな数字を見たら気を付ける.ほかの数字と比較しなければ,その数字がさも重大なことを示しているように見えてしまうから.
自分の分類の仕方は間違っているかもしれないと疑ってみる.よく使っている分類思考を,常に見直し続けることが大事.見直しに役立つ方法は,①同じ集団の中の違いと,違う集団の間の共通点を探す.②過半数に気を付ける.③例外に気づく.④自分が普通だと決めつけない.⑤一つのグループの例をほかのグループに当てはめていないか.これらを振り返る.
過半数とは,半分より多いということでしかない.それが51%なのか,99%なのか,その間のどこなのかを確かめるべきである.
自分が肩入れしている考え方の弱みをいつも探したほうがいい.これは,自分の専門分野でも当てはまる.自分の意見に合わない新しい情報や,専門以外の情報を進んで仕入よう.
平等というシンプルで美しい概念もまた,格差があらゆる元凶だという,単純すぎる考え方につながる.すると,どんな場合にも格差は良くないし,資源の再分配によって何でも解決できると思い込んでしまう.
なぜ,医者と看護師は異なる所得レベルの人たちがどんな病気にかかるのかを学ばないのだろう?変わりゆく世界の基本的な最新知識を,どうして学校や企業研修で教えないのだろう?批判的思考を教えている学校は多いが,ファクトフルネスも批判的思考のひとつと言ってもいい.それが次の世代を知識不足から守ることになる.
リンダウ・ノーベル賞受賞者会議若い研究者たちがノーベル賞受賞者から学ぶすばらしい機会が,この年に一度の会議だ.この会議を批判するつもりは露ほどもない.ただ,出席者のワクチンに関するクイズでの正解率が低かった.専門知識があるからといってあらゆることに精通しているわけではないという点を明らかに.
専門家による予測『超予測力-不確実な時代の先を読む10か条』を書いたテトロックとガードナーは,人々の予測力をシステマチックに測る方法を紹介している.そこで判断力を鈍らせる要因の一つとして挙げられたのが,狭い分野の専門性で,判断力に優れた人の特徴としてあげられているのは,謙虚さ,好奇心,失敗から学ぶ前向きさだった.
災害の比較OurWorldInDataを閲覧すれば,災害による死を調べることができる.ギャップマインダーは現在,様々な死亡事故や環境問題を取り上げるメディアがいかに偏った報道をしているかについて調べている.調査が終わり次第,公開予定.
国際災害データベース自然災害による年間死者数は過去100年間で75%減少した.自然災害は年によってばらつきがあるので,それぞれの年ごとに過去10年の平均を比べている.過去10年間に毎年8万386人が自然災害で亡くなっている.100年前の32万5742人と比べると25%になっている.
本書は、世界を誤って認識してしまう人間の思考の癖を、統計と事実を用いて正し、「ファクトネスフル」な思考習慣によって恐れや偏見を乗り越える重要性を説いた好奇心の宝庫のような一冊。悲観的な報道や思い込みに流されていた自分の認識を見直す必要性に気づかされた。事実に基づいて世界を見る姿勢は、冷静な判断と希望を持つ力につながると思う。
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縁あって僧侶となり、30代後半に看護大学に入学。42歳で新人看護師となり、保健師の経験を経て大学院入学。老犬たちと、読書、美味しい珈琲が私のキャリアチェンジ。
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この書評へのコメント
- keena071511292026-05-05 21:29
絶対に“増え続けている16の悪いこと”もあると思うんですよね
地球温暖化なんかはもはや
取り返しのつかないレベルに達しているでしょうし
そして“1つの悪いこと”だけで
文明が崩壊する可能性もあるわけで
“良いこと探し”よりも“悪いこと探し”の方が
重要なのではないのかなと思いますクリックすると、GOOD!と言っているユーザーの一覧を表示します。 
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