これは美しい科学本である。
と書くと、CGで描かれた天体や研究器具の図など、視覚的な印象を受けるかもしれない。
しかし、本書は言葉の選び方や文章の構成が美しいのだ。
滑らかで脳にするりと溶け込む、そんな科学本である。内容は濃いのに、何故だか壁を感じないというなかなか稀有な書だ。
さて、夜話というタイトル通り、私は寝る前に読んでいるのだが、1話数分で読み終えられるので、ちょっとした合間などに読むのも良いと思う。
そうだ、第9夜の話を友人との待ち合わせ時に読むのはどうだろう。
確率の話なのだが、1000人に1人が飲酒運転をする市があり、ある精度の検知器で警察が検問するというものだ。
この問題、半数以上の人が間違ったと言われたら、どうだろう。
「お待たせ」
と遅刻してきた友人に、ちょっとを出してみたくもなる
こんな風に誰かに話すもよし、自分だけで知を楽しむのもよし。
慌ただしく過ぎていく日々。贅沢な合間をくれる本書を枕元にそっと置き、ゆったりと瞼を閉じる瞬間が私は好きだ。
この書評へのコメント