三太郎さん
レビュアー:
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クレモナに住むヴァイオリン作りの名人がヴァイオリンに絡んだ殺人事件を解決します。パガニーニからロッシーニまでイタリアを代表する歴史的な音楽家が登場します。
少し前に同じ作者のヴァイオリン職人の探求と推理をレビューしていますが、これはその続編のようです。
主人公のジョバンニは60代のクレモナに住むヴァイオリン製作者で、クレモナ警察のアントニオ刑事と殺人事件の真相に迫ります。
クレモナはミラノの南東にある小都市で18世紀にはヴァイオリン制作のメッカでした。名工グァルネリの作った名器「キャノン砲」は19世紀のヴァイオリンの名手、パガニーニが愛用したヴァイオリンです。現在はジェノバ市が所有しパガニーニ国際コンクールの優勝者によって演奏されます。国宝級のヴァイオリンですね。
本作の冒頭にはロシア生まれの23歳の天才ヴァイオリニストと彼の強烈なステージママが登場しますが、ミステリーの本筋は、かつてパガニーニが保有しその後行方知れずになった、黄金と宝石で出来たミニチュアのヴァイオリンが関わる殺人事件です。
厭味ったらしい俗物の元音楽研究者の大学教授が出てきますが、驚いたことに、彼はTV番組で引っ張りだこのコメンテーターでよく知りもしないことにもそれらしいコメントをして人気を博しています。
日本のTVにも似たような人種がいますが、大抵は経済学や脳科学が専門でさすがに音楽研究者はいないなあ。イタリアはやはり芸術の国なのですね。
小説の内容はレビュアーの皆さんが既に書いているので、僕がなるほどと思ったトリビアを書いて見おきます。
お話の中にはパガニーニが作曲したという曲が幾つも出てきますが、彼はヴァイオリンとギターの組み合わせでも曲を作っていました。古典派以降はあまりない組み合わせだと思いますが、現代ではピアソラが作曲しているとか。パガニーニには意外にモダンな一面があったのかな。
ジョバンニはヴァイオリン職人として既に30年以上のキャリアがあるはずですが、これまで作製したヴァイオリンは一人で300台ほどだとか。一年に多くて10台くらいですが、もし日本だったら年間の売り上げは1000〜2000万円位でしょうか。彼はそれ以外に古い名器の修理も引き受けているとか。ヴィオラやチェロは作らないらしい。経済的にはそこそこの暮らし向きでしょうか。
僕の高校時代からの友人のI君はやはりクレモナでヴァイオリン作りの修行をして、50歳まではミラノで、それ以降は仙台で個人の工房を開いていますが、作るのより売るのが大変だとか。今では世の中に一台10万円くらいの中国製の普及版のヴァイオリンもあり、職人さんがすべてを一人で手作りするバイオリン工房の経営は決して楽ではなさそうです。なお、I君の場合は修理はやらず製作だけで、ただしヴァイオリン以外にヴィオラやチェロも作っています。
主人公のジョバンニは60代のクレモナに住むヴァイオリン製作者で、クレモナ警察のアントニオ刑事と殺人事件の真相に迫ります。
クレモナはミラノの南東にある小都市で18世紀にはヴァイオリン制作のメッカでした。名工グァルネリの作った名器「キャノン砲」は19世紀のヴァイオリンの名手、パガニーニが愛用したヴァイオリンです。現在はジェノバ市が所有しパガニーニ国際コンクールの優勝者によって演奏されます。国宝級のヴァイオリンですね。
本作の冒頭にはロシア生まれの23歳の天才ヴァイオリニストと彼の強烈なステージママが登場しますが、ミステリーの本筋は、かつてパガニーニが保有しその後行方知れずになった、黄金と宝石で出来たミニチュアのヴァイオリンが関わる殺人事件です。
厭味ったらしい俗物の元音楽研究者の大学教授が出てきますが、驚いたことに、彼はTV番組で引っ張りだこのコメンテーターでよく知りもしないことにもそれらしいコメントをして人気を博しています。
日本のTVにも似たような人種がいますが、大抵は経済学や脳科学が専門でさすがに音楽研究者はいないなあ。イタリアはやはり芸術の国なのですね。
小説の内容はレビュアーの皆さんが既に書いているので、僕がなるほどと思ったトリビアを書いて見おきます。
お話の中にはパガニーニが作曲したという曲が幾つも出てきますが、彼はヴァイオリンとギターの組み合わせでも曲を作っていました。古典派以降はあまりない組み合わせだと思いますが、現代ではピアソラが作曲しているとか。パガニーニには意外にモダンな一面があったのかな。
ジョバンニはヴァイオリン職人として既に30年以上のキャリアがあるはずですが、これまで作製したヴァイオリンは一人で300台ほどだとか。一年に多くて10台くらいですが、もし日本だったら年間の売り上げは1000〜2000万円位でしょうか。彼はそれ以外に古い名器の修理も引き受けているとか。ヴィオラやチェロは作らないらしい。経済的にはそこそこの暮らし向きでしょうか。
僕の高校時代からの友人のI君はやはりクレモナでヴァイオリン作りの修行をして、50歳まではミラノで、それ以降は仙台で個人の工房を開いていますが、作るのより売るのが大変だとか。今では世の中に一台10万円くらいの中国製の普及版のヴァイオリンもあり、職人さんがすべてを一人で手作りするバイオリン工房の経営は決して楽ではなさそうです。なお、I君の場合は修理はやらず製作だけで、ただしヴァイオリン以外にヴィオラやチェロも作っています。
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1957年、仙台に生まれ、結婚後10年間世田谷に住み、その後20余年横浜に住み、現在は仙台在住。本を読んで、思ったことあれこれを書いていきます。
長年、化学メーカーの研究者でした。2019年から滋賀県で大学の教員になりましたが、2023年3月に退職し、10月からは故郷の仙台に戻りました。プロフィールの写真は還暦前に米国ピッツバーグの岡の上で撮ったものです。
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- 出版社:東京創元社
- ページ数:0
- ISBN:9784488178062
- 発売日:2014年11月12日
- 価格:1166円
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